海外デスクレポート

2017年4月3日

社会保障協定の現状

社会保障協定の現状

執筆:フィリピン担当

今回のコラムでは、日本とフィリピンとの間で2015年11月に署名された「社会保障に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定」(以下、社会保障協定)に関してお伝えします。
日本では2016年4月に国会にて承認されておりましたが、フィリピンでは2017年に入り社会保障協定の批准を支持する決議案が上院で可決されました。両国で批准された社会保障協定は、外交上の公文を両国間で交換した後に発効することとなります。

 

社会保障協定の主旨

保険料の二重負担の回避

現在の社会保障協定発効前では、日本からフィリピンに駐在員を派遣する場合、またはフィリピンから日本へ駐在員を派遣する場合、それぞれにおいて日本・フィリピン双方の社会保障制度に加入することが義務づけられています。社会保障協定が発効すれば、駐在期間によってどちらか一方の社会保障制度に加入することになります。

保険料掛け捨ての回避

年金を受給する要件として、年金制度に一定期間(日本は25年、フィリピンは10年)加入しなければなりません。駐在期間が短い場合、駐在先国での保険料が掛け捨てになってしまうことが問題視されてきました。社会保障協定発効後は両国での保険期間を通算して年金の受給権を評価することになります。

 

社会保障協定発効後の運用

2017年1月現在、日本は16か国との間に社会保障協定が発効しており基本的にそれぞれ同様の取り扱いとなっております。

加入について

原則ルール … 就労する国の社会保障制度にのみ加入。
例外 … 一時派遣の場合(5年を超えない見込みで派遣される場合)には、駐在元国の社会保険制度のみ加入し、協定相手国の社会保障制度の加入が免除されます。

注意点

駐在期間が5年を超える場合、日本からの駐在員は上記ルールにのっとり、原則としてフィリピンの社会保障制度にのみ加入することになります。

フィリピンの社会保険料は日本のものに比べると負担は少ないのですが、将来の年金の受給額に影響がでることも想定されるため留意が必要です。

 

今後の動向

社会保障協定発効後、現地の日系企業の保険料負担額が減少するとされています。また、日本へ派遣されるフィリピン人駐在員についても駐在期間が5年以内であればフィリピンの社会保障制度にのみ加入することになるため、フィリピン企業にとっても保険料負担が軽減されることとなります。

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
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