日本法人の従業員がシンガポール法人に駐在等する場合、Employment Passを取得するケースが一般的です。2023年9月より、このEmployment Passを取得するための審査基準が変更されます。
この審査基準はComplementarity Assessment Framework(以下、COMPASS)といい、昨年からその変更内容について適宜アナウンスがされています。
COMPASSはポイント制審査で、「給与」「学歴」「多様性」「現地雇用」の4項目を基本評価基準とし、それぞれ0ポイント~20ポイントが付与されます。今回はこの4項目のうち、「給与」及び「学歴」について解説します。
(1) 給与基準
COMPASSの給与基準では、各業種、各年齢の給与水準に応じて10ポイント又は20ポイントが付与されます。23歳以下と45歳以上は下記の表のとおり基準が固定しておりますが、23歳超・45歳未満は、それらの間の額で、年齢が上昇するにつれて、給与水準の基準額が増加します(表の記載は割愛)。
業種 |
10ポイントに必要な給与 (PMETをベンチマークとした65%相当の給与) |
20ポイントに必要な給与 (PMETをベンチマークとした90%相当の給与) |
年齢 ≤ 23 |
年齢 ≥ 45 |
年齢 ≤ 23 |
年齢 ≥ 45 |
製造業 |
$5,000 |
$9,700 |
$7,000 |
$15,800 |
建設業 |
$4,800 |
$7,500 |
$7,300 |
$13,700 |
卸売業 |
$5,100 |
$10,100 |
$7,600 |
$18,600 |
小売業 |
$4,600 |
$6,500 |
$7,000 |
$13,600 |
航空及び海上輸送 |
$5,200 |
$11,600 |
$7,700 |
$20,400 |
陸上輸送 及びロジスティクス |
$4,500 |
$7,300 |
$6,500 |
$15,700 |
宿泊施設 |
$4,200 |
$6,400 |
$5,400 |
$11,200 |
(※1)PMETとは、Professionals, Managers, Executives and Techniciansを指します。
(※2)固定月給22,500SGD以上の候補者はCOMPASSが免除されます。
(※3)23歳超45歳未満は上記基準の間で、年齢の増加とともに基準も増加していきます(記載割愛)。
上記以外の業種についても、給与のベンチマークは公表されており、今年の9月以降にEmployment Passを申請する場合は、給与についても事前に検討が必要なると考えられます。
(2) 学歴基準
COMPASSの学歴基準では、卒業した大学のランクに応じて、ポイントが付与されます。
具体的には、トップティア教育機関(Top-tier institutions)の卒業資格を有する者は20点、一般的な大卒等(Degree-equivalent qualifications)の場合は10点、左記以外の場合は0点、となります。
トップティア教育機関とは、QS世界大学ランキングの上位100位の大学等をいうこととされており、現在、日本からは東京大学、京都大学、東京工業大学、大阪大学及び東北大学の5校のみが選出されています。
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