1. 法人情報の概要
シンガポール法人は、シンガポールの当局(ACRA:Accounting and Corporate Regulatory Authority)において、その法人の情報を登録・開示する必要があります。
この登録・開示の情報は、日本における登記簿謄本に類似する項目が含まれています。
情報開示の強化策として、7月2日に国会で可決されたことにより、今後、法人情報に関するレギュレーションが変更されます。
レギュレーションを変更する目的は、マネーロンダリング対策であり、法人の取締役に関する情報開示の範囲が拡大する予定です。
2. レギュレーションの変更内容
① 連絡先住所
シンガポール法人が連絡先住所を提供することを選択した場合、その情報はBiz file(日本の登記簿謄本に類似)に表示されます。
連絡先住所に関するレギュレーションの変更が施行された際に、既存の住所は全て連絡先住所に変更されます。
② ノミニーダイレクターの適正性
シンガポール法人は、最低1人以上の居住取締役を選任する必要があります。
法人設立時において、一般的に、日本人駐在員は就労ビザの取得が完了していないため、設立当初はノミニーダイレクターを選任する必要があります
このノミニーダイレクターについて、法人設立・登記を支援する事業者(コーポレート・サービス・プロバイダー「CSP」)は、その選任されたノミニーダイレクターが適任者であることを確認する必要があります。
適任者とは、破産宣告を受けていないこと、取締役に就任する能力を有していること、有能であること、誠実であること、犯罪歴がないことなどを指します。
上記のレギュレーションの変更に伴い、2024年内に法人情報の記載があるBiz fileの記載内容が改定される予定です。
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