海外デスクレポート

2024年1月25日

シンガポールのGST(Goods and Services Tax)の税率引き上げ (シンガポール)

シンガポールのGST(Goods and Services Tax)の税率引き上げ (シンガポール)

(1) GST(Goods and Services Tax)の税率引き上げ

 

2024年1月より、日本の消費税に相当するシンガポールのGST(Goods and Services Tax)の税率が8%から9%に引き上げられました。この引き上げは2022年の税制改正の発表に基づいて行われるものであり、税率の引き上げに伴う税収の増加は、医療費の支援と高齢者のケアに活用される予定です。なお、GSTの税率の引き上げは段階的に行われており、2023年1月において、7%から8%への引き上げが行われています。

 

参考:2007年以降のGST(Goods and Services Tax)税率表

  2007年7月1日
~2022年12月31日
2023年1月1日
~2023年12月31日
2024年1月1日~
税率 7% 8% 9%

 

(2) GSTの仕組み

GST非課税とされるものを除くシンガポールのほぼすべての商品やサービス及びシンガポール税関が徴収する商品の輸入に課されていますまた、課税対象売上高が 100SGDを超えた場合、企業はGST登録事業者となる必要があります。一方で課税対象売上高が100SGDを超えない場合においてもGST登録事業者として登録することが可能です

日本の消費税と同様、GST登録事業者は、売上により徴収したGSTと仕入により支払ったGSTの差額をシンガポールの当局(Inland Revenue Authority of Singapore、以下IRAS」)に納付することとなります。

 

(3) 税率の引き上げに伴う影響

GST登録事業者以外の企業にとって、税率引き上げ後、GST登録事業者から購入する商品やサービスに係る費用が増加する可能性があります。税率引き上げに伴う事業コストの増加を軽減するため、GST登録事業者以外の企業はGST登録事業者となるかどうかの検討を推奨します。

IRASによると、2023年1月の引き上げ時には、10万社以上の企業が新料率の適用に移行したと公表されており、2024年1月の引き上げ時においても、新たにGST登録事業者となる企業が増加すると見込まれています。

 

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。

 

  • 入江 貴陽

    この記事の著者

    入江 貴陽
    税理士法人山田&パートナーズ
    シニアマネージャー 税理士

    2013年入社。日本国内にて税務顧問、事業承継及びM&A関連業務を中心に関与し、2020年よりシンガポール駐在。シンガポールへの進出案件、組織再編業務、移住支援業務等に従事。

海外デスクレポートに戻る
すべて見る

CONTACT US

弊社へのご質問、ご依頼、ご相談など
各種お問い合わせはこちらにご連絡ください。

お問い合わせはこちら