海外デスクレポート

2018年9月24日

シンガポール/不動産取得時の印紙税の引上げ

シンガポール/不動産取得時の印紙税の引上げ

執筆:シンガポール担当

シンガポール政府は、2018年7月5日に不動産相場政策として印紙税の税率の引上げを発表しました。2018年7月6日以降、シンガポールの永住権を持たない外国人が居住用不動産を取得する場合に課される印紙税の税率は、不動産金額の21%~24%となります(従前は16%~19%)。

 

1.シンガポールにおける外国人の不動産保有規制

シンガポールの永住権(PR)を持たない外国人は、原則としてシンガポールの土地、戸建、公営住宅(HDB)を購入することは出来ません。コンドミニアム(高級分譲マンション)は購入することが出来ますが、一棟全て購入することは出来ず、ユニットでの取得に制限されています。

 

2.居住用不動産取得時の印紙税の税率

(1) 居住用不動産の取得時の買手にかかる印紙税 (Buyer’s Stamp Duty)
シンガポールで居住用不動産を取得する場合、下記の税率で買手に印紙税が課されます。課税対象となる不動産の価格は取引価額と時価のいずれか高い金額です。なお、買手が外国人である場合には、下記に加えて(2)の追加印紙税(20%)が課されます。

※2018年度の税制改正により、2018年2月20日以降、最高税率が4%となっています。


(2) 追加印紙税 (Additional Buyer’s stamp duty)
外国人(永住権保有者以外の外国人)がシンガポールの居住用不動産を取得する場合、上記(1)の印紙税に加えて追加の印紙税が課されます。追加印紙税の税率は従前15%でしたが、2018年7月6日以降に取得する不動産は20%となりました。追加印紙税の課税対象となる価格は(1)と同様です。


(参考)シンガポールにおける1993年以降の居住用不動産価格の推移と追加印紙税
以下の表はシンガポール政府機関(URA)が公表した1993年~2018年にかけての居住用不動産価格指標の推移です(2009年第1四半期の価格を100とした指標の推移)。リーマンショック後の不動産価額の上昇を受けて2011年12月に外国人が居住用不動産を取得する場合の追加印紙税が10%で導入され、2013年1月に追加印紙税の税率が15%に引き上げられました。それらの影響もあり2013年以降、居住用不動産価格は下落傾向にありましたが、2017年から上昇傾向に転じたことに伴い、シンガポール政府は2018年7月にさらなる追加印紙税の引上げに踏み切っています。

出所:URA releases flash estimate of 2nd Quarter 2018 private residential property price index Annex B (2018年7月2日)

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 熊谷 仁志

    この記事の著者

    熊谷 仁志
    税理士法人山田&パートナーズ
    パートナー 公認会計士

    2004年入社。日本国内にて法人業務経験を経て、2016年4月よりシンガポールに駐在。日系企業の進出、現地での管理運営、組織再編を多数経験。2023年より日本に帰任し海外進出等のクロスボーダー案件に従事。
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