海外デスクレポート

2024年6月7日

米国における居住者及び非居住者の判定 (米国)

米国における居住者及び非居住者の判定 (米国)

1. 米国居住者・米国非居住者の判定

米国税法では、その国籍により個人を「米国市民」と「外国人」に区分し、さらに、その居住形態により「外国人」を「米国居住者」と「米国非居住者」に区分しています。

 

① 米国市民
米国市民とは、米国の市民権を有する者をいいます。その居住地にかかわらず、すべての所得に対して課税されます。

② 米国居住者
米国居住者とは、外国人のうち一定の要件を満たす者をいいます。その居住地にかかわらず、すべての所得に対して課税されます。

③ 米国非居住者
米国非居住者とは、米国市民及び米国居住者以外の者をいいます。国内源泉所得に対して課税されます。

区分

課税範囲

個人

①米国市民

全世界所得

外国人

②米国居住者

③米国非居住者

国内源泉所得

 

2. 米国居住者の定義

外国人のうち米国永住権(グリーンカード)を有している者又は米国実質滞在テストの要件を満たす者をいいます。

米国実質滞在テスト
次の米国実質滞在テストの条件をいずれも満たすこと
① その年の米国の滞在日数が31日以上
② その年の米国の滞在日数、前年の米国の滞在日数の3分の1の日数、前々年の米国の滞在日数の6分の1の日数の3年間の合計滞在日数が183日以上

 

米国実質滞在テストの例外規定
米国実質滞在テストの条件を満たした場合でも、次の条件を満たす場合には、非居住者を選択することができます。

① ビザの種類に応じた例外的取り扱い
以下のビザで米国に滞在している場合には、一定の条件を満たすことにより、例外的取り扱いとして、そのビザでの滞在期間は米国実質滞在テストの米国滞在日数から除外することができます。
  • Aビザ(外交官・外国政府関係者)
  • Fビザ(学生)
  • Mビザ(職業訓練生)
  • Jビザ(交流訪問者)
  • Qビザ(国際文化交流訪問者)

 

② 外国との密接な関係がある場合における例外的取り扱い
米国実質滞在テストの条件を満たした場合でも、次の条件を満たす場合には、非居住者を選択することができます。
  1. その年の米国の滞在日数が183日未満である。
  2. 外国にタックス・ホームがある。
  3. 年間を通して外国との密接な関係がある。

 

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 山﨑 剛

    この記事の著者

    山﨑 剛
    税理士法人山田&パートナーズ
    税理士

    2019年、税理士法人山田&パートナーズに入所。国際部に配属。グローバル展開している上場企業、上場子会社といった法人の法人税申告業務、海外に資産を保有する個人の所得税及び相続税申告業務を中心に従事。2020年、大手金融機関に出向。法人オーナーを対象とした事業承継コンサルティングに従事。2024年、米国駐在。
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