1. ハワイ州における不動産投資
ハワイ州では、コロナ禍でも不動産価格は、ほぼ下落せず、特にホノルルの住宅価格は高騰が続き、5年対比で1.5倍、オアフ島全体でみても5年対比1.2倍、2000年代対比2倍、1990年代対比2.5倍、現在の円安下での円換算では5年対比で2倍、2000年代対比で3倍、1990年代対比で3.5倍になっています。ハワイ州に居住する日本人のうち、不動産価格高騰と円安の影響で、この機会に米国不動産を売却し、日本への本帰国を検討している方は多く、多くの相談が寄せられています。ただし、日本への本帰国や、永住権・米国籍の放棄をする場合、米国における出国税・日本における国外転出時課税、米国における遺産税・日本における相続税、日米両国における所得税など、多段階で双方の税務が影響することがあるため、実行前に日米双方の課税関係の検証を推奨します。
2. 東オアフ開発(ワード地区)
現在、ワード地区でハワイ州史上最大の都市開発が進行中です。この地区はワイキキの隣に位置し、注目すべき都市開発全米No.1を飾るなど、全世界からも注目されています。この開発は隣接するビーチ、ヨットハーバー、道路接続の見直しを含めた都市開発で、10棟を超える高層マンションと複数の商業施設で構成され、将来的に空港まで接続される駅が開通予定です。観光客をターゲットとするワイキキと異なり、主に全世界の富裕層をターゲットとしたハワイの別荘や投資の需要取込みを図っており、高層マンションの価格帯はワンルームで0.7百万USD(≒1億円)、3LDKで2~3百万USD(≒3~5億円)と全米最高級クラスです。工事は段階的に着工されており、完成を待たずに完売する状況が続いています。契約初期に前払い20%、残金80%は引渡時払いという方法が主に採用されていますが、現在引渡中又は引渡開始の物件は、日本人にとっては、1ドル110円前後の時の契約が多く含まれ、想定外の円安により、一部の契約者は、共同所有や法人所有などの見直しの相談があるようです。ただし、別荘を法人が所有する場合、日米双方の法人税・所得税の課題が生じやすいため注意が必要です。
3. 西オアフ開発(カポレイ地区)
西オアフは、ワイキキ側の東オアフと比べ開発が遅れている地域です。ウォターパーク「ウェット&ワイルド」、ディズニーホテル「アラウニ」、大型ショッピングセンター「カマカナアリイ」、マリンアクティビティー複合リゾート「ワイカイ」など徐々に開発が進んできています。2023年に開通したスカイトレイン(高架電車)が2025年にホノルル空港に接続しアクセスの大幅改善が予定されており、アラモアナ駅やワイキキ駅の開通の目途が立っていない東オアフと比べ、電車接続のアドバンテージが当面あり、今後の開発が注目されています。
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