海外デスクレポート

2020年5月12日

ベトナムの新型コロナウイルス感染症にかかる入国制限の状況(2020年3月30日時点)

ベトナムの新型コロナウイルス感染症にかかる入国制限の状況(2020年3月30日時点)

執筆:ベトナム担当

1. ベトナム国内の状況

2020年5月3日時点のベトナム国内の状況は下記の通りとなっています。

 
  人数
陽性者数 271名
うち回復した人 219名
うち死亡者 0 名


※ベトナムの人口は2019年時点で約9,620万人。

 

2. ベトナムへの入国制限措置

現時点で、外国人はベトナムには入国できません。

原則としてすべての外国人に対するビザの発給停止措置と外国人の入国停止措置が発令されており、企業管理者等で特別に許可された場合を除き、2020年3月22日より事実上入国できなくなっています。

※企業管理者等は、政令11/2016/NĐ-CP第3条に基づき判定されます(例:社長・総社長等、合弁会社の出資メンバーは対象)。

3. ベトナムからの出国制限措置

現時点で、出国制限措置はありません。

ただし、多くの航空会社が国際便の欠航を発表しておりますので、各航空会社の運航スケジュールは注意が必要です。

4. ベトナム国内の移動・外出制限措置

現時点で、外出禁止措置は発令されておりません。

ただし、3月27日に様々な制限措置を含む首相指示15号、4月1日よりさらに厳しい制限措置(外出自粛措置ほか)を含む首相指示16号が発令されていましたが、4月15日及び4月22日までの段階的な緩和が実施され、現在では4月25日に発表された首相指示19号が適用されています(概要は下記)。

  • 感染リスクの高い地域…首相指示16号を引続き実施

※指定地域…ハノイ市の郊外のMe linh区,Thuong Tin区、ハザン省の一部、バクニン省の一部

※首相指示16号の概要…https://www.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/corona0331.html

  • 感染リスクのある地域…外で20人以上の集会を行わない、ソーシャルティスタンス1m以上、その他の感染予防措置は、各地方人民委員会で定める

※指定地域…感染リスクの高い地域以外のハノイ市・ハザン省・バクニン省、ホーチミン市

  • 感染リスクの低い地域…外で30人以上の集会を行わない、ソーシャルティスタンス1m以上、その他の感染予防措置は、各地方人民委員会で定める

※指定地域…感染リスクの高い地域及び感染リスクのある地域以外の全土

https://www.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/corona0427-2.html

5. ベトナム国内の営業等制限措置

現時点で、オフィス・工場に及ぼす営業制限措置はありません。

各地方人民員会で営業停止事業(バー、映画館など)を指定しております。お住まい・営業地域での人民委員会の発令を確認する必要があります。

※商品価格のつり上げ、市場へ悪影響を及ぼす行為は刑法を含む法令に基づく処罰を実施することが発表されています。

6. ベトナム国内のCovid被害企業への助成措置

(1) 新型コロナウイルスの影響を受けた場合の労働者等への支援措置

主に2020年4月から6月までの限定措置ですが、下記の支援措置が発表されています。

【労働者向け】無給休暇労働者:月1,800,000VND(約9,000円)最大3か月
【法人向け】財政難企業:労働者給与最低賃金50%相当をベトナム社会政策銀行による無担保無利子融資(ただし従業員へ直接支給) 
【個人事業者向け】営業停止対象の年売上1億VND(≒50万円)未満の個人事者者:月1,000,000VND(≒5,000円)最大3か月
【労働者向け】失業保険対象外の失業者:月1,000,000VND(≒5,000円)最大3か月
【個人向け】改革功績者(元軍人等):月500,000VND(≒2,500円)最大3か月
【個人向け】生活保護者:月500,000VND(≒2,500円)最大3か月
【個人向け】貧困世帯:月250,000VND(≒1,250円)最大3か月

参考:42/NQ-CP(4/9発行)、15/2020/QD-TTg(4/24発行)

https://thuvienphapluat.vn/van-ban/lao-dong-tien-luong/Nghi-quyet-42-NQ-CP-2020-bien-phap-ho-tro-nguoi-dan-gap-kho-khan-do-Covid-19-439526.aspx

https://thuvienphapluat.vn/van-ban/lao-dong-tien-luong/Quyet-dinh-15-2020-QD-TTg-ho-tro-nguoi-dan-gap-kho-khan-do-dich-COVID19-441047.aspx


(2) 新型コロナウイルスの影響を受けた場合の法人税・付加価値税の納税期限延長措置

【企業向け】2020年第1四半期及び第2四半期における法人所得税・付加価値税の納税期限を各5ヵ月間の延長

概要まとめ…/news-report/0410vietnam-corona/

参考:42/NQ-CP4/8発行)

https://thuvienphapluat.vn/van-ban/thue-phi-le-phi/Nghi-dinh-41-2020-ND-CP-gia-han-thoi-han-nop-thue-va-tien-thue-dat-438649.aspx


(3) 新型コロナウイルスの影響を受けた場合の休業時の給与支払等のガイダンス

【企業向け】休業等を実施する場合の適用条文の解説

ただし、ベトナム労働法に基づく対応をする必要があり、実際に実施する場合は、弁護士にご相談のうえ、慎重な対応が必要です。

  • 解雇手当(労働法98条)
  • 業務一時停止期間中に出勤させる場合の従業員給与等(労働法98条3項)
  • 他の業務への転向(労働法31条)
  • 事業縮小(労働法38条、44条)

参考:1064/LDTBXH-QHLDTL3/25発行)

https://luatvietnam.vn/lao-dong/cong-van-1064-ldtbxh-qhldtl-huong-dan-giai-quyet-che-do-cho-nguoi-lao-dong-do-dich-covid-19-181906-d6.html

なお、上記ガイダンスに記載はありませんが、休業時の賃金について労働法99条に下記の定めがあります。

  • 休業が使用者の過失によらない危険な疫病等による損害、活動場所の移動又は経済的理由による場合…使用者と労働者の両当事者で休業時の賃金の合意が必要(下記参照)

   a) 休業が 14 営業日以下の場合…休業時の賃金は合意によるが、最低賃金を 下回らない。 

   b) 休業が 14 営業日を超える場合…休業時の賃金は合意によるが、当初の 14 日間については最低賃金を下回らないことを保証しなければならない。

参考:労働法

https://thuvienphapluat.vn/van-ban/lao-dong-tien-luong/Bo-Luat-lao-dong-2019-333670.aspx

参考:2020年の地域別最低賃金

https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/country/vn/invest_05/pdfs/vn10C020_minimum_wage.pdf


(4) 新型コロナウイルスの影響を受けた場合の労働組合費の支払期限延期措置

【企業向け】社会保険加入労働者の50%以上を休業させた企業に対する労働組合費の使用者負担分の支払い期限を6月30日(または12月31日)まで延期

参考:245/TLD3/18発行)

https://thuvienphapluat.vn/cong-van/lao-dong-tien-luong/Cong-van-245-TLD-2020-lui-thoi-diem-dong-cong-doan-voi-doanh-nghiep-bi-anh-huong-dich-Covid-19-437877.aspx


(5) 新型コロナウイルスの影響を受けた場合の社会保険の支払延期措置

【企業向け】指定事業(運旅客運輸業、ホテル、レストランなど)のうち、社会保険加入労働者の50%以上を休業させた企業の社会保険納付期限を6月30日(または12月31日)まで延期

参考:860/BHXH-BH3/17発行)

https://luatvietnam.vn/y-te/cong-van-860-bhxh-bt-2020-tam-dung-dong-vao-quy-huu-tri-181642-d6.html

(参考)その他、ベトナムでの新型コロナウイルス感染症(Covid-19)にかかる最新の情報は、下記の政府機関のサイトでご確認できます。

VGPNEWS:ベトナム(ベトナム政府オンラインニュース) ※英語

http://news.chinhphu.vn/

在ベトナム日本国大使館 ※日本語

https://www.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/corona_information.html

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 遠藤 元基

    この記事の著者

    遠藤 元基
    Yamada & Partners USA, Inc.
    パートナー 日本税理士・公認不正検査士

    2007年税理士法人山田&パートナーズ東京本部入所、2011年福岡事務所開設・同所長就任。2019年よりベトナム及びタイに駐在。2023年より米国駐在。エステートプランニング、クロスボーダーM&A、グローバル組織再編、海外子会社不正調査など幅広い業務に対応。

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