海外デスクレポート

2015年7月21日

ベトナムにおける最新法令情報 ~2015年7月1日施行①~

ベトナムにおける最新法令情報 ~2015年7月1日施行①~

執筆:ベトナム担当

1. 共通投資法


(1) 企業登録証明書の取得義務の追加

旧法では、外資企業はその設立にあたり「投資証明書」とよばれる書類を取得する必要がありましたが、この「投資証明書」取得手続きが設立登記手続きを兼ねているとして、設立登記のために別途証明書(事業登録証明書)を取得する必要はありませんでした。
しかしながら、共通投資法の改正に伴い、2015年7月1日以降の設立に際しては、「投資登録証明書(旧法上の「投資証明書」)」に加え、「企業登録証明書(旧法上の「事業登録証明書」)の取得が要求されることとなりました。今後は2段階の証明書取得手続きが必要となるため、設立手続きがより煩雑となることが懸念されます。

(2) 外国投資家及び外資企業に関する定義の明確化

旧法においては、「外国投資家」や「外資企業」に関する規定は存在するものの「外国投資家」「外資企業」自体に関する定義が存在せず、どのような投資家や企業が対象に含まれるかが不明確な状況となっていました。この点、改正法においては新たに次のような定義が盛り込まれています。

<外国投資家>
外国の国籍を有する個人、外国の法令に基づいて設立された組織でベトナムにおいて経営投資活動を実施するもの

<非内国経済組織(≒外資企業)>
外国投資家である社員又は株主がいる経済組織

<外国投資法に基づく投資手続を必要としない非内国経済組織>
非内国経済組織のうち、以下のもののいずれにも該当しない場合には、外国投資家に対する規定ではなく内国投資家に対する規定に基づき投資手続を実施
a) 外国投資家が定款資本の51パーセント以上を保有する、又は合名会社である経済組織について過半数の合名社員が外国の個人である。
b) 上記a)に規定されている経済組織が定款資本の51パーセント以上を保有する。
c) 外国投資家及び上記 a) に規定される経済組織が定款資本の51%以上を保有する。

※条文文言については、国際協力機構(JICA)作成の仮和訳を参考に作成

 

2. 統一企業法


(1) 株式会社における決議要件の緩和

改正前の統一企業法においては、株式会社 における株主総会の決議要件として、普通決議の場合には出席者の議決権の65%以上、特別決議の場合には75%以上の多数という厳しい要件が付されていました(有限会社も同様)。この点、株式会社については統一企業法の改正に伴い、右のような決議要件の緩和が図られています。

(2) 資本金払込期限

会社設立後における資本金払込の期限については、株式会社が設立後90日以内に資本金全額を払い込まなければならない一方、有限会社においては3年以内に払い込みを行なえばよいこととなっていました。この点については、統一企業法の改正に伴い、有限会社も株式会社と同様、90日以内に払い込みを完了するよう変更が加えられています。

共通投資法、統一企業法ともに法律自体は昨年11月に公布され、今月初めより実際に施行されています。しかしながら、詳細な規定を定めるべき政令の公布が2015年7月1日に間に合わなかったため、実務上の手続きが不明瞭な状態での新法施行という状況となっています。実際に、7月1日以降の申請に関しては至るところで手続きが止まってしまっている状況となっており、一刻も早い政令の公布が望まれています。

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 前田 章吾

    この記事の著者

    前田 章吾
    税理士法人山田&パートナーズ 海外事業部 パートナー
    YAMADA & PARTNERS VIETNAM CO., LTD.
    日本国公認会計士

    2009年9月税理士法人山田&パートナーズに入所し、同シンガポール支店を経て、2013年9月よりベトナム駐在。ベトナムに関する会計税務をはじめ、不正調査・内部統制構築支援、進出・撤退やクロスボーダーM&Aなど幅広い業務を対応している。
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