執筆:ベトナム担当
ベトナムに入国・滞在する際の手続等を定めた、「ベトナムにおける外国人の出入国、通過及び居住に関する法律(以下 ”ベトナム出入国管理法“ )」が2015年1月1日より施行されています。今回のVietnam News Letterでは、ベトナム出入国管理法の内容の中でも特に重要性の高いビザ制度について、改正点を踏まえて解説します。
1. ベトナムにおけるビザ制度の概要
ベトナムは日本とビザ免除に関する協定を結んでおり、15日以内の滞在であれば、日本国籍者は原則としてビザを取得することなくベトナムに滞在することが認められています(但し、下記2.のビザ免除要件に注意が必要)。
一方、15日を超えて滞在する目的でベトナムへ入国する場合には、事前のビザ取得が要求されます。ベトナムにおける主なビザとその最長期間は次のとおりです。
短期商用ビザ(DNビザ)…12ヶ月
- 労働ビザ(LDビザ)… 2年
- 学生ビザ(DHビザ)…12ヶ月
- 観光ビザ(DLビザ)… 3ヶ月
※但し、実務上は最長期間より短い期間でのビザ発行がなされる場合あり
日本国内でビザを取得する場合には、ベトナム大使館(東京)やベトナム領事館(大阪、名古屋など)にて申請を行うことができます。
2. ベトナム出入国管理法のポイント①
~ベトナム入国時のビザ免除要件~
ベトナム出入国管理法の施行により、今後は次の4要件すべてを満たす場合にのみ、ビザを取得することなくベトナムに入国することができます(最大15日間)。
- 入国日におけるパスポートの有効期限が6ヵ月以上ある(※1)
- 前回のベトナム出国日から30日以上の期間が経過している(※2)
- 往復航空券又は第三国への航空券を所有している
- ベトナム入国禁止対象者リストに属しない
(※1)従来は「3ヶ月」以上
(※2)例えば業務のため月に何度もベトナムに出張をしているような場合には、たとえ毎回の出張が15日以内であったとしても、ビザの取得が要求されることとなります。
また、全体の出張期間が15日以内であっても、ベトナム入国後、例えばカンボジア等の周辺国へ渡航し、再度ベトナムに入国する場合も、ビザの取得が求められることとなります(下図のケース)。
3. ベトナム出入国管理法のポイント②
~ビザ申請時には招聘許可書の提示が必要~
従来、短期商用ビザ申請に際しては、パスポートや写真、ビザ申請料金等があれば足り、ビザが必要と判明したその日のうちに大使館や領事館で申請をすることも可能でした。しかしながら、ベトナム出入国管理法の施行に伴い、短期商用ビザの申請に際しては、ベトナム入国管理局からの招聘許可書の提示が要求されることとなっています。
招聘許可申請 ~ ビザ取得の流れ
(1) 入国対象者情報のベトナム現地法人への通知
氏名や国籍、パスポート番号など、招聘許可申請に必要な情報を現地法人に通知します。
(2) 現地法人による招聘許可申請手続
現地法人にて、ベトナム入国管理局への招聘許可申請手続を実施します。
(3) ベトナム入国管理局の承認
申請内容に問題がない場合、ベトナム入国管理局から現地法人へ招聘許可書が発給されます(法律上は5日以内に発給)。同時に、ベトナム在外公館(大使館や領事館)に対してベトナム入国管理局からの通知が行われます。
(4) 日本国内でのビザ申請手続
ベトナム現地法人から招聘許可書(※)を取得したうえで、ベトナム在外公館にてビザ申請手続を実施します。
(※)在大阪ベトナム総領事館に電話確認したところ、招聘許可書については原本ではなく写しの提示で足りるとのこと(2015年3月時点)。
ビザ申請手続については、大使館・領事館での対応や申請時必要書類の内容が頻繁に変更されているとともに、大使館や各領事館で取扱いや解釈が異なることもあります。ベトナム入国に際しビザが必要となる場合には、あらかじめ余裕を持って大使館・領事館に現状確認を行ったうえで、ビザ申請手続を進めていくことが望ましいと考えられます。
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- 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
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