海外デスクレポート

2014年7月29日

ベトナム進出時のポイント① ~WTOコミットメント~

ベトナム進出時のポイント① ~WTOコミットメント~

執筆:ベトナム担当

ベトナム進出に際しては、禁止業種や規制業種を規定した共通投資法などの国内規制に加え、世界貿易機関(WTO)加盟時に批准されたWTOコミットメントについても留意しなければなりません。

ベトナムでは2007年にWTOへの正式加盟を果たした際、WTOが規定している12のサービス分野のうち、次の11分野について段階的に開放していくことを批准しました。

  1. ビジネスサービス
  2. 情報サービス
  3. 建設及び関連エンジニアリングサービス
  4. 流通サービス
  5. 教育サービス
  6. 環境サービス
  7. 金融サービス
  8. 保険・社会サービス
  9. 観光・旅行サービス
  10. 娯楽・文化・スポーツサービス
  11. 運輸サービス

上記のコミットメントに伴いベトナムの投資環境が大幅に改善されたと評価され、ベトナムに対する投資が大幅に増加することとなりました。ただし、コミットメントの中には出資比率に関する制限が課されているサービスなどもあるため、進出を検討している業種に対してどのような規制がなされているか確認しておく必要があります。サービス分野ごとの主な留意点は次のとおりです。

 

1. ビジネスサービス(法律、会計、建築等の専門サービス、コンピュータサービスなど)

(1) 広告サービス
合弁会社、または、事業協力契約のみが認められる。

(2) 農業、狩猟及び林業関連サービス
外資51%以下の合弁会社、または、事業協力契約のみが認められる。

(3) 製造関連サービス
現状、外資100%による法人設立は認められていない。但し、2015年1月1日より外資100%による法人設立が可能となる。

 

2. 情報サービス(配達サービス、通信サービスなど)

(1) 通信サービス
通話サービス、テレビ会議サービスなど、サービスの種類によって外資の出資比率制限が異なるため留意が必要。

(2) 映画制作サービス
外資51%以下の合弁会社、または、事業協力契約のみが認められる。

 

3. 流通サービス

外資100%による法人設立が可能であるが、下記品目は開放対象から除かれている。
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タバコ、葉巻タバコ、本、新聞、雑誌、録画物件、貴金属、宝石、薬品、火薬、原油、精油、米、サトウキビの砂糖、大根の砂糖
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また、小売店の2店舗目からは、設立に際しエコノミックニーズテストというテストを受ける必要がある。

 

4. 教育サービス

高等教育サービス、成人教育サービス及び他の教育サービスについては外資100%による訓練機関の設立が認められているが、中等教育サービスは開放対象から除かれている。

 

5. 環境サービス(下水処理サービス、ごみ処理サービスなど)

外資100%による法人設立が可能であるが、サービス提供方法等に関し一定の制限が課せられている。

 

6. 金融サービス

株式購入の形態による出資の場合、ベトナムの商業株式銀行に対する外国の個人、法人の保有株式数は、銀行の定款資本の30%を超えてはならない。

 

7. 保険及び社会サービス(病院サービスなど)

外資100%による設立が可能であるが、最低資本金として、病院の場合2千万米ドル、総合診療室の場合2百万米ドル、専科治療所の場合20万米ドルがそれぞれ課せられている。

 

8. 観光及び旅行サービス

  • 宿泊サービス、配膳サービス及び飲料サービス
    2015年1月1日までは、必要なサービスの提供がホテルの建設投資、改造、又は買収と並行して行われなければならない。
  • 旅行代理店及びツアーオペレーターサービス
    外資100%による法人設立は認められておらず、合弁会社を設立する必要がある。

 

9. 娯楽、文化スポーツサービス

  • 娯楽サービス
    外資比率49%以下の合弁会社の設立のみが認められる。
  • 電子ゲームの営業
    外資比率49%以下の合弁会社、または、事業協力契約のみが認められている。

 

10. 運輸サービス

  • 国内運送を除く顧客運送及び国内運送を除く貨物運送
    ベトナム国旗の船隊を運営する会社を設立する場合、外資比率49%を超えてはならない。
  • コンテナ積降サービス、鉄道運送サービス
    合弁会社の設立のみが認められている(外資比率はサービスにより異なる)。

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~スターバックスがハノイに進出~
ホーチミン進出から1年、今月23日にスターバックスがハノイ第1号店をオープンしました。ホーチミンでは8店舗目が出来たところですが、ハノイでは7月末までに一挙に3店舗がオープンします。順調に店舗数を増やしているホーチミンに続き、ハノイでも成功を収めることができるか、要注目です。

【ハノイ1号店の様子】

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 前田 章吾

    この記事の著者

    前田 章吾
    税理士法人山田&パートナーズ 海外事業部 パートナー
    YAMADA & PARTNERS VIETNAM CO., LTD.
    日本国公認会計士

    2009年9月税理士法人山田&パートナーズに入所し、同シンガポール支店を経て、2013年9月よりベトナム駐在。ベトナムに関する会計税務をはじめ、不正調査・内部統制構築支援、進出・撤退やクロスボーダーM&Aなど幅広い業務を対応している。
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