海外デスクレポート

2023年8月4日

ベトナムの固定資産計上基準 (ベトナム)

ベトナムの固定資産計上基準 (ベトナム)

ベトナム法人税法の課税所得計算で控除される減価償却費については、通達(Circular45/2013/TT-BTC)に規定されており、まずは固定資産として計上すべき要件等が以下のとおり定められています。会計処理はかならずしも、税法に準拠するものではありませんので、会計処理と税務処理の差異がある場合は留意が必要です。

固定資産の計上要件

① 取得価額が独立して計算できるもの
② その資産から将来にわたり経済的便益を受けることが出来る
1年を超えて使用できる資産
④ 取得価額が30百万VND(≒17.6万円)以上のもの

ただし、単一の構造物あるいは複数の構造物が一体として1つの機能を有する場合を一単位の有形固定資産とし、上記全ての要件を満たすものは固定資産に計上する必要があります。

また、上記の基準を満たしていて、有形の資産を構成していないものは無形固定資産として計上しなければなりません。他にも、固定資産のうち有形固定資産として計上するか、長期前払費用として計上するかは、取得時の契約形態やその資産の機能によって判断することになります。

修繕費と資本的支出

修繕費と資本的支出の判定もあります。資産の機能を向上させる支出は資本的支出として固定資産に計上しなければなりません。一方で機能向上に資さない支出は修繕費として支出した年度の費用に算入することができます。

ただし、考え方は日本と同様ですが、明確な金額基準は規定されていないため個別で判断する必要があります。

なお、無形資産も同様に当初見積もられた効果や経済的便益の予想額の増加をもたらす場合には取得原価に加算して固定資産に計上しなければなりません。

付随費用

固定資産の取得価額は実際に支払われた購入価額に付随費用や利用可能になるまでに発生した費用なども加算して固定資産の取得価額を算定します。

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 川越 太介

    この記事の著者

    川越 太介
    税理士法人山田&パートナーズ
    海外事業部 部長 税理士

    2006年に大阪の税理士法人にて勤務。2017年に税理士法人山田&パートナーズに入所。日本国内では相続、事業承継、組織再編やM&Aなどの業務に従事しており、現在、ベトナムにおける税務・会計サービスを提供している。主な対応可能業務は会計税務顧問、進出支援、不正調査・内部統制、DD、VAL、移転価格コンサルティングなどである。

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