国税庁発表法人税の申告漏れ総額は7515億

国税庁は、「平成25事務年度における法人税等の調査事績」を公表しました。これによりますと、大口・悪質な不正計算が想定されるため調査必要度が高いとされた9万1千法人（前年度比△2.8％）に実地調査した結果、6万6千件（同△3.2％）から総額7,515億円（同△24.8％）の申告漏れが発見されました。

業種別にみると、不正発見割合の高い業種では、「バー・クラブ」が47.3％と12年連続のワースト1位となりました。次いで「自動車修理」29.8％、以下「パチンコ」29.0％の順となっています。

1件あたりの不正所得金額が大きい業種では、1位は「パチンコ」5,373万円、「自動車・同付属品製造」3,348万円、次いで「情報サービス、興信所」2,532万円、以下「電子機器製造」2,511万円、「建売、土地売買」1,980万円と続いています。「バー・クラブ」は、不正発見割合の高い業種では1位となりましたが、金額が相対的に少ないため、不正所得金額が大きい業種の上位には入っていません。

一方、海外との取引を巡って申告漏れを指摘された企業は3,379社（同＋2.1％）で、申告漏れの総額は全体のほぼ4分の1に当たる1,783億円（同△17.3％）に上っています。海外の取引先からの売上を除外するなどの不正計算を行うものが見受けられたようです。国税庁は租税条約等に基づく情報交換制度を積極的に活用するなど、深度ある調査に取り組むとしています。

また国税庁では、調査を行うにあたり、国民の公平感を著しく損なうものとして、事業を行っているにもかかわらず申告していない法人、無申告法人に対して重点的に調査を行ってきたようです。そのうち、稼動している実態を隠し、意図的に無申告であったものが212件（同△23.7％）あり、法人税21億円（同△12.0％）、消費税7億円（同△6.2％）の追徴課税をしています。

調査件数が減少しているのは、国税通則法が改正され、税務調査における手続きの事務量が増えたことが影響していると考えられます。今後は、より調査必要度の高い法人に重点的に調査が行われそうです。