日本百貨店協会は、7月の消費税・免税総売上高が前年同月比2.3%増の約633億2千万円になったと公表しました。これにより、2024年累計の免税売上高は3,978億円で、前年の年間売上高(3,484億円)を超えたことになります。
外国人旅行者等が、免税店として許可を受けた事業者から、一定の方法で免税対象物品を購入した場合、消費税は免税となります。外国人旅行者の増加にともない、円安を追い風に、ハイエンドブランドの商品や化粧品など免税となる売上げが増加しているようです。
消費税が免税となるには、免税店として許可された事業者から購入する必要がありますが、観光庁によると、この免税店の数も地方を中心に増加しています。
(出典:観光庁「都道府県別消費税免税店数」)
その一方で、この免税制度を悪用した事例が見受けられ、問題になっています。免税店における不適切な免税販売や、免税購入した者による購入品の不正な横流し・転売といった事例です。
国税庁では「不正な免税110番~STOP! 免税店制度の不正利用~」というリーフレットを作成し、免税店制度を悪用している「人物」及び「店舗」に関する情報提供を呼びかけています。
(出典:国税庁「不正な免税110番~STOP! 免税店制度の不正利用~」)
また令和6年度税制改正大綱において、出国時に税関において免税購入品の持ち出しが確認された場合に免税販売が成立する制度へ見直す方向性が示されており、来年度以降、不正が行われにくい制度に改正されそうです。