海外デスクレポート
2020年3月31日
ベトナムの新型コロナウイルス感染症にかかる入国制限の状況(2020年3月30日時点)

執筆:ベトナム担当
1. ベトナム国内の状況
2020年3月30日時点のベトナム国内の状況は下記の通りとなっています。
人数 | |
陽性者数 | 194名 |
うち回復した人 | 52名 |
うち死亡者 | 0 名 |
※ベトナムの人口は2019年時点で約9,620万人。
2. ベトナムへの入国制限措置
現時点で、外国人はベトナムには入国できません。
原則としてすべての外国人に対するビザの発給停止措置と外国人の入国を停止措置が発令されており、2020年3月22日より事実上入国できなくなっています。ただし、企業管理者等はビザ発給及び入国が可能ですが、出発国で「新型コロナウイルス感染症が陽性でないことを証明する証明書」を事前に発行してもらい入国時に承認を受け、入国後14日間の集団隔離(または医療隔離)が必要になります。なお、既入国者には入国後2週間経過するまでの自宅隔離措置が発令されています。
※企業管理者等は、政令11/2016/NĐ-CP第3条に基づき判定されます(例:社長・総社長等、合弁会社の出資メンバーは対象)。
※「新型コロナウイルス感染症が陽性でないことを証明する証明書」は、具体的なフォームおよび手続きは現時点未公表です。判明次第、在ベトナム日本大使館のホームページにて案内される予定です。
※隔離措置の拒否・逃亡・不履行には刑法を含む法令に基づく処罰を実施することが発表されています。
3. ベトナムからの出国制限措置
現時点で、出国制限措置はありません。
ただし、多くの航空会社が国際便の欠航を発表しておりますので、各航空会社の運航スケジュールは注意が必要です。
4. ベトナム国内の移動・外出制限措置
現時点で、外出禁止措置は発令されておりません。
ただし、3月27日に様々な制限措置を含む首相支持(3月27日首相指示第15/CT-TTg号)が発令されました。これを受け、3月30日より4月15日まで、ハノイ市・ホーチミン市から各市外へ車移動は、1台9席以下の車両に限定され、ハノイ・ホーチミン発着の公共交通機関(飛行機及び電車)も大幅に減便(特にハノイ・ホーチミン間の飛行機は1日1便限定)されました。そのため実質的に国内の長距離移動は困難な状況です。なお、不要不急の外出は自粛、公共空間ではマスクの着用と他者と2m以上の距離をとる必要があります。また、飛行機、電車、旅客船、省をまたいて移動するバス等を利用する場合には、オンラインでの医療申告が義務付けられています。
※「3月27日首相指示第15/CT-TTg号」概要(在ベトナム日本大使館情報、日本語)…https://www.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/corona0327-1.html
※オンライン医療申告…https://tokhaiyte.vn/
※医療申告の不実施および虚偽記載に刑法を含む法令に基づく処罰を実施することが発表されています。
5. ベトナム国内の営業等制限措置
現時点で、オフィス・工場に及ぼす制限措置はありません。
ただし、すでに学校、幼稚園、一部の学習塾では休校となって、前述の首相支持(3月27日首相指示第15/CT-TTg号)をうけ、飲食店、娯楽施設、歴史観光施設などの商業サービス活動は4月15日まで営業停止となりました。ほかにも20人以上が集う会議・行事・宗教儀式、職場・学校・病院以外での10人以上で集うことが禁止されています。また、各地方人民員会も詳細な規定が発令されていますので、お住まい・営業地域での人民委員会の発令を確認する必要があります。
※商品価格のつり上げ、市場へ悪影響を及ぼす行為は刑法を含む法令に基づく処罰を実施することが発表されています。
6. ベトナム国内のCovid被害企業への助成措置
被害のある企業では、税の延長措置が申請ができるようになりました。
ただし、新型コロナウイルスの影響で納税が困難な状況であることと、物的損傷の記録や保険会社の補償書類などの根拠資料とともに書面にて申請する必要があります。なお、納税延長申請が認められれば、当該延長期間の延滞税が免除されます。ほかにも、同様に被害がある企業は、社会保険の納付延長も認められますが、別途の手続きが必要です。
※納税の延長、Covid-19の流行による延滞金利の免除「№897 / TCT-QLN」
(参考)ベトナムでの新型コロナウイルス感染症(Covid-19)にかかる最新の情報は、下記の政府機関のサイトでご確認できます。
MOH:Ministry of Health Vietnam(保険省) ※英語
VGPNEWS:ベトナム(ベトナム政府オンラインニュース) ※英語
在ベトナム日本国大使館 ※日本語
https://www.vn.emb-japan.go.jp/itpr_ja/corona_information.html
- 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
- 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
- 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承くだ
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この記事の著者
遠藤 元基
Yamada & Partners USA, Inc.
パートナー 日本税理士・公認不正検査士2007年税理士法人山田&パートナーズ東京本部入所、2011年福岡事務所開設・同所長就任。2019年よりベトナム及びタイに駐在。2023年より米国駐在。エステートプランニング、クロスボーダーM&A、グローバル組織再編、海外子会社不正調査など幅広い業務に対応。
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