2024年10月18日に2025年度(2025年1月1日~12月31日)マレーシア国家予算案が公表されました。
2025年度の歳入額は前年度比5.5%増の3,400億MYR、歳出額は3.3%増の約4,210億MYRとなり、財政赤字は対GDP比で3.8%と6年ぶりに3%台に低下する見通しです。
税制改正項目として大きな目玉となる改正案の発表はありませんでしたが、高所得層への課税を強化し、マレーシア国民及び社会へ還元するというメッセージが打ち出された内容と言えます。
今回発表された主な税制改正項目は以下のとおりです。
(1) 個人所得税
- 個人株主への配当課税の導入
個人株主が受け取る配当のうち、年間100,000MYR超の金額について、2%の配当課税が導入されます(2025年度以降、適用予定)。
なお、国外からの配当所得や投資信託に係る分配金等については、引き続き免税措置の対象。
- 国外源泉所得の免税措置の延長
マレーシア居住者が受け取る国外源泉所得の免税措置(パートナーシップ関連の所得等を除く。)の適用対象期限について、現行の2026年12月31日から2036年12月31日まで延長されます。
(2) グローバルミニマム課税(GMT)への対応
2025年1月からのGMTの導入に伴う影響を緩和するため、GMTに対応した戦略的な投資に対応する税額控除(Strategic Investment Tax Credit)制度の導入等が検討されます(適用時期の記載なし)。
(3) 売上税及びサービス税(SST)
輸入高級食品(サーモンやアボカド等)に対する売上税の導入・引き上げ、事業者間における事業者向けサービス(金融サービス等)に対するサービス税の課税範囲が拡大されます(2025年5月以降、適用予定)。
(4) 炭素税の導入
鉄鋼産業やエネルギー産業に炭素税が導入されます(2026年までの導入を予定)。
- 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
- 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
- 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。