執筆:タイ担当
法人税率は20%、所得税率は日本と同様に累進税率で、最高税率は35%となっています。
法人税
法人税 総論
【法人税率】
法人税率はタイ国歳入法で、原則として均一税率である30%が課されますが、タイ国政府は国際競争力を高めるため、2011年10月の閣議決定により法人税率を2012年1月1日以降に始まる会計年度は23%、2013年1月1日以降に始まる2会計年度については20%の軽減税率が適用されることになっています。また、中Ⅴ小企業については所得の額に応じた累進税率が適用されています。歳入法上の中小企業とは「会計年度末における払込資本が500万バーツ以下であり、かつ収入が3,000万バーツ以下の会社」をいいます。
【オフショア所得の取り扱い】
株式会社の場合、課税対象となる所得の範囲は日本と同様、全世界所得課税を採用しています。
【減価償却費の取り扱い】
タイ国歳入法では、固定資産の減価償却は資産を取得した日より計算され、原則として取得日から期末日までの日割り計算を行います。日本の場合は、取得日ではなく事業の用に供した日から計算され、原則月割計算であるため留意が必要です。また、タイ国歳入法には日本の法人税法のような「少額資産」に関する規定はありません。
【欠損金の取り扱い】
タイにおける税務上の繰越欠損金は、将来所得に対する控除として、発生年度の翌年度以降5年間にわたり繰り越すことができます。BOIにより法人税の免除等の恩典がある場合には、免税期間終了後5年間にわたり繰り越すことができます。
【納税スケジュール】
会社は通常、中間申告と確定申告の年2回の申告を行わなければなりません。中間申告は、中間期末日から2カ月以内に中間納税申告書を提出しなければならず、当該事業年度の推定所得の半額に基づいて計算された法人税額を納付する必要があります。推定所得の算定にあたっては前年度の実績所得に基づくことは基本的に認められています。確定申告は、事業年度末日から150日以内に納税申告書を提出しなければならず、その際には監査済み財務諸表を添付しなければなりません。
個人所得税
個人所得税 総論
居住者の場合、タイ国内源泉所得は全額課税され、海外源泉所得は原則として非課税ですが、タイ国内に持ち込む場合のみ課税されます。居住者の定義は、暦年中のタイ国における滞在期間が累積で180日にいたるものとされています。
【所得税率】
日本と同様に累進税率ですが最高税率は35%となっています。
【オフショア所得(国外源泉所得)の取り扱い】
居住者の場合、タイ国内源泉所得は全額課税され、国外源泉所得は原則として非課税ですが、タイ国内に持ち込む場合のみ課税されます。居住者の定義は、暦年中のタイ国における滞在期間が累積で180日にいたるものとされています。
【納税スケジュール】
課税対象期間は日本と同様に暦年課税であるため、その年の1月1日から12月31日までの所得について、翌年の3月末までに確定申告を行うことになります。なお、給与所得者については源泉徴収による前納分を差し引いた金額を納付することとなります。