財務省は、ホームページに「租税特別措置の適用実態調査結果に関する報告書」を公表しました。この報告書は、租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律第5条第2項に基づいて国会に提出されたものです。
平成22年度税制改正において、「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律」が制定され、租税特別措置の適用の実態を把握するための調査を行うことが規定されました。このため、法人税関係特別措置のうち税額又は所得の金額を減少させる規定等を適用する場合には、その法人が提出する法人税申告書に「適用額明細書」を添付し、税務署に提出する必要があります。
報告書によると、平成26年度に適用額明細書を提出したのは、前年度から約6%増の単体法人109万2,431法人、連結法人912法人の計約109万3千法人でした。
平成26年度における法人税関係特別措置の適用件数は、87項目について延べ166万2,909件(連結法人を含む)にのぼります。資本金階級別にみると、適用件数及び適用法人数はそれぞれ、「1,000万円以下」が127万1,954件、87万9,589法人で最も多く、次いで「1,000万円超3,000万円以下」が22万7,380件、12万7,786法人、「3,000万円超5,000万円以下」が8万4,233件、4万5,538法人となっています。
業種別にみると、適用件数及び適用法人数はそれぞれ、「サービス業」が42万7,136件、28万2,970法人で最も多く、次いで「建設業」30万8,456件、19万4,318法人、「製造業」25万590件、14万2,499法人、「不動産業」16万546件、12万7,965法人、「卸売業」15万5,912件、10万202法人、「小売業」15万1,677件、同10万5,481法人です。
所得階級別にみると、適用件数及び適用法人数はそれぞれ、「100万円超800万円以下」が50万9,128件、31万6,918法人で最も多く、次いで「100万円以下」33万6,624件、25万5,366法人となっています。その一方で、「0円または欠損」が32万2,410件、28万7,630法人と3位に入っています。租税特別措置を適用した結果、所得が0円または欠損となった法人もあると考えられます。
この結果を踏まえ、今後、租税特別措置法の各項目のあり方が検討されます。