令和2年度税制改正大綱には、「連結納税制度」を「グループ通算制度」に見直す旨、記載されています。
連結納税制度は、企業グループを一体とみて親会社と100%子会社の所得通算等を行う制度です。グループ各社の所得を合算するため、A社の黒字とB社の赤字を相殺することにより税負担が軽くなる等のメリットがあります。その反面、グループ会社のうち一社が所得金額の計算を誤った場合、各社の個別帰属額を再計算しなければならず、煩雑になる等のデメリットもあり、連結納税制度の導入が進まないという実態がありました。
そこで政府税制調査会では、昨年より「連結納税制度に関する専門家会合」を開催し、単体法人に対する課税制度と整合性があり、かつ、わが国の企業・経済の実態等に合致した連結納税制度を構築する必要があるとして、議論を重ねていました。
令和2年度税制改正大綱では、政府税制調査会での議論を受け、連結納税制度を抜本的に見直し、グループ通算制度に移行する旨が記載されています。また、それに伴い単体納税を行う法人に係る法人税についても、グループ通算制度の取扱いに合わせた見直しを予定しています。
連結納税制度を選択していないグループ企業にも影響がある改正となりますので、注意が必要です。
詳しい改正内容及び実務上の留意点等は、 弊法人ホームページ「令和2年度税制改正解説速報」 をご覧ください。
※ 本内容は、令和2年度税制改正大綱及び関連省庁の公表資料に基づいています。
今後の法令等により内容が変わる可能性がありますので、ご注意ください。