税のトピックス

2016年8月22日

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国税庁、スキャナ保存制度見直しのリーフレット公表

国税庁、スキャナ保存制度見直しのリーフレット公表

国税庁は、ホームページに「電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件が改正されました」というリーフレットを公表しました。

電子帳簿保存法におけるスキャナ保存とは、国税関係書類の保存方法の一つで、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(電子帳簿保存法)において規定されているものです。領収書、請求書、見積書等の国税関係書類について、真実性・可視性を確保するための一定の要件の下、スキャナによる保存が認められています。

 

平成28年度税制改正では、本制度について見直しが行われ、スキャナ保存の要件が改正されました。主な改正事項は、以下の3点です。

1.スキャナについて、「『原稿台と一体型』に限る」要件を廃止
2.領収書等の受領者等が読み取る場合の要件を整備
3.小規模企業者の特例を創設

1. スキャナについて、「『原稿台と一体型』に限る」要件を廃止

改正前は、使用するスキャナについて、原稿台と一体となったものに限定する要件がありました。この要件が廃止され、スマートフォンなどの携帯型画像記録装置を活用した電子保存が認められることになりました。

2. 領収書等の受領者等が読み取る場合の要件を整備

領収書や請求書等について、その受領者や作成者が読み取る場合、受領等後、その者が署名の上、3日以内にタイムスタンプを付すことが要件とされました。
また、この場合で、読み取る書類の大きさがA4以下であるときは、大きさに関する情報の保存が不要とされました。

3. 小規模企業者の特例を創設

保存義務者は、いわゆる適正事務処理要件(①相互けんせい、②定期的なチェック、③再発防止策)に関して、事務手続や規定を整備するとともに、これらに基づいた事務処理を行う必要がありますが、保存義務者が小規模企業者(従業員が20人以下等の中小企業基本法に定める小規模企業者)の場合で、②の定期的なチェックを税務代理人が行うときは、①の相互けんせいの要件については不要となります。

 

上記1.2.の改正により、受領した領収書を社外で、スマホを使用して読み取ることができるようになります。

この改正に係る申請書の受付は、平成28年9月30日から開始されるため、改正の適用を受けるのは、平成29年1月1日以後となります。

なお、既にスキャナ保存の承認を受けている書類であっても、改正後の要件を適用するためには、平成28年9月30日以後に申請書を提出して承認を受ける必要がありますので注意が必要です。

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