経産省は、ホームページに「中小企業の雇用状況に関する調査集計結果」を公表しました。
この調査は、平成28年の春闘妥結果等を踏まえた中小企業・小規模事業者における賃上げ状況を含む雇用状況等を把握するために、本年6月に中小企業・小規模事業者3万社を対象に行ったものです。調査票の提出のあった7,024社の状況について集計しています。
調査の集計結果を見ると、何らかの賃上げを行った中小企業・小規模事業者の割合は63.9%にのぼり、前年の引上げ実績61.4%を2.5ポイント上回っています。
賃上げを実施した理由で最も多かったのは、「人材の採用・従業員の引き留めの必要性」で、続いて「業績回復・向上」となっています。一方、賃上げを実施していない企業の理由で最も多かったのは、「業績回復・向上が不十分」88.3%であり、業績の低迷が賃上げを妨げている可能性があります。
賃上げについては、所得拡大促進税制や法人実効税率の引下げといった税制措置により政府も後押ししていますが、やはり賃上げには企業の業績回復・向上が不可欠のようです。