平成29年度税制改正では、「所得拡大促進税制」のうち中小企業への優遇が拡充されそうです。この制度は、青色申告法人が、平成25年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する各事業年度において、従業員に対して給与等を支給する場合に、一定の要件を満たすときには、法人税の税額控除が認められるというものです。
現行制度では、(1)従業員数にかかわらず給与支給総額が基準年度(2012年度)より一定以上増加、(2)給与支給総額が前年度以上、(3)従業員1人当たりの平均給与が前年度以上という3要件を満たす企業は、規模を問わず、賃上げ総額の10%を法人税額から控除することができます。
平成29年度税制改正により、中小企業者等以外の法人には、従来よりも2%多い賃上げを要件とする一方、税額控除額が2%上乗せされます。一方、中小企業者等は、従来通りの制度を維持しつつも、2%多い賃上げ要件を満たす場合には、税額控除額を12%上乗せする措置が予定されています。
大企業と比べて賃上げの動きが弱い中小企業の法人税の軽減効果を大きくすることで、積極的な賃上げを促す目的があるようです。
※ 本内容は、平成29年度税制改正大綱及び関連省庁の公表資料に基づいています。今後の法令等により内容が変わる可能性がありますので、ご注意ください。
詳しい改正内容及び実務上の留意点等は、 弊法人ホームページ「平成29年度税制改正解説速報」 をご覧ください。