国税庁は、財産評価基本通達の一部改正についてパブリックコメントの募集を始めました。取引相場のない株式の評価と森林の立木の評価に関する改正です。
この通達の改正に関して、平成29年度税制改正大綱には次のように記載がありました。
「相続税法の時価主義の下、実態を踏まえて、次の見直しを行う。
①取引相場のない株式の評価の見直し
イ 類似業種比準方式について、次の見直しを行う。
(イ)類似業種の上場会社の株価について、現行に課税時期の属する月以前2年間平均を加える。
(ロ)類似業種の上場会社の配当金額、利益金額及び簿価純資産価額について、連結決算を反映させたものとする。
(ハ)配当金額、利益金額及び簿価純資産価額の比重について、1:1:1とする。
ロ 評価会社の規模区分の金額等の基準について、大会社及び中会社の適用範囲を総じて拡大する。
②杉及びひのきについて、現行評価額を全体的に引き下げるとともに、松について、原則として、標準価額を定めず個別に評価することとする。 」
上記のうち、特に①ロについては、大会社及び中会社の適用範囲がどのように変わるのかが不明だったため、詳細が待たれていました。パブリックコメントにある改正案をまとめたのが下記の表です。
改正前と比べると、大会社及び中会社の適用範囲は総じて拡大していますが、卸売業以外の業種における大会社の総資産価額の基準額が引き上げられている(改正前10億円→改正案15億円)ことに注意が必要です。
このパブリックコメントの締切は、3月30日です。