国土交通省が21日に発表した2017年1月1日時点の公示地価が、全国平均で前年比0.4%プラスと2年続けて上昇したという報道がありました。全国の住宅地では、0.022%プラスとなり、わずかですが9年ぶりに上昇しています。
公示地価とは、土地取引における特殊な事情などが取り除かれた、自由な取引において通常成立すると考えられる1平方メートル当たりの価格を示します。公示地価の決定は、まず1地点について不動産の鑑定評価の専門家である2人の不動産鑑定士が各々別々に現地を調査し、最新の取引事例やその土地からの収益の見通しなどを分析して評価を行います。さらに、地点間や地域間のバランスなどを検討し、国土交通省の土地鑑定委員会が最終的に決定しています。8月頃、国税庁より公表される相続税路線価は、相続税及び贈与税の算定基準となる土地評価額ですが、公示地価の8割程度が目安とされています。
住宅地では、3大都市圏(東京、名古屋、大阪)が前年と同じ0.5%の伸びとなり、地方中核都市の札幌、仙台、広島、福岡の4市では、2.8%と高く伸びています。
その一方で、地方を中心に、全調査地点の40%超で値下がりが続いています。都市部と地方での格差が広がっているようです。