税のトピックス

2019年3月18日

  • 法人税

大阪国税局文書回答事例、英国子会社がオランダ法人と行う合併の取扱いについて

大阪国税局文書回答事例、英国子会社がオランダ法人と行う合併の取扱いについて

 国税庁は、ホームページに大阪国税局の文書回答事例として「英国子会社がオランダ法人と行う合併の取扱いについて」を公表しました。大阪国税局に、納税者から事前照会があり、その事前照会に回答したものです。

 本事例は、欧州における販売拠点として参加に販売子会社を有している英国子会社B社と、オランダに新たに設立するC社を合併する場合、法人税法上、適格合併に該当するとして差し支えないか、親会社であるA社が大阪国税局に問い合わせたものです。

 具体的な事実関係は下記のとおりです。 
(1)A社がオランダにC社を設立する。
(2)C社を合併法人、B社を被合併法人とする合併を行う。
(3)本件合併に伴い、B社の株主であるA社に対してはC社株式以外の資産は交付されない。
(4)本件合併により、B社の合併直前の資産及び負債の全てをC社が引き継ぐ。
(5)A社は本件合併後においてC社の発行済株式の全てを継続して保有する見込みである。
(6)本件合併は、EU域内の異なる国に所在する会社間での合併を司る欧州議会及び欧州理事会2005/56EC指令を受けた現地国法令である英国及びオランダの各国内実施法を準拠法として行われる。
 なお、本件合併は、英国が欧州連合(EU)からの離脱を予定している2019年3月29日より前に行われる予定。

 この合併は、英国とオランダという異なる国に所在する法人間で行われるため、法人税法上の合併に該当するのか疑問が生じます。この点、法人税法上の合併は、日本の会社法を準拠法として行われる合併に限定されていないため、外国法令を準拠法として行われる法律行為であっても、日本の会社法上の合併に相当する法的効果を具備するものであれば、法人税法上の合併に該当すると考えられるようです。

 本件合併は、欧州議会及び欧州理事会2005/56EC指令に関する英国及びオランダの各国内実施法を準拠法として行われるものであり、日本の会社法上の合併の本質的要素を具備すると認められることから、日本の法人税法上の合併に該当するものとして取り扱うのが相当と考えられます。また、法人税法上の適格合併の要件も満たしているため、本件合併を適格合併として取扱っても差し支えないとしています。

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