東京証券取引所(東証)は、「東証上場会社における社外取締役の選任状況〈確報〉」をホームページ上に公表しました。
この資料は、東証上場会社が提出したコーポレート・ガバナンスに関する報告書に基づき、東証が社外取締役の選任状況について集計をしたものです。
内容をみると、全上場3474社のうち、87.3%を占める3034社が社外取締役を選任していることが分かります。前年と比べると、社外取締役を選任している会社が834社増え、22.9ポイントアップしています。市場第一部に限定すると、比率は94.3%まで上昇します。
社外取締役のうち、独立社外取締役を選任している会社は、2550社、比率は73.4%です。そのうち2名以上選任している会社は1133社、同32.6%となります。市場第一部に限定すると、独立社外取締役を選任している会社は、同87.0%の1641社(前年比+527社、+25.6ポイント)、2名以上選任している会社は、同48.4%の913社(同+523社、+26.9ポイント)にのぼっています。
ここにいう「独立社外取締役」とは、一般株主と利益相反が生じるおそれのないものとして、東証に届け出られている社外取締役をいいます。
東京証券取引所では、一般株主保護の観点から、上場会社に対して、独立役員(独立社外取締役又は独立社外監査役)を1名以上確保することを企業行動規範の「遵守すべき事項」として規定しています。また、独立役員の確保に係る企業行動規範の遵守状況を確認するため、「独立役員届出書」の提出を求めています。
本年6月より適用が開始された「コーポレートガバナンス・コード」【原則4-8.独立社外取締役の有効な活用】では、『~、上場会社はそのような資質十分備えた独立社外取締役を少なくとも2名以上選任すべきである。』としており、上場会社、特に市場第一部・第二部上場会社は、人材確保に頭を悩ませそうです。