「平成28年度税制改正大綱」の公表が遅れています。当初12月10日(木)に公表を予定していましたが、軽減税率の取扱いについて、自民党と公明党の間で意見がまとまらず、大綱の公表が週明けにずれ込んでいます。
軽減税率を消費税10%引き上げ時に導入するという点では、自民党公明党で合意していましたが、その対象品目について意見が対立していました。12日になって、軽減税率の対象を「外食を除いた全食料品」とすることで両党幹部が合意したようです。
軽減税率を除いた部分については、自民党、公明党共に12月10日の党税制調査会で了承されています。
党税制調査会の了承を得た大綱(案)を見ると、基本的な考え方として「デフレ脱却・日本経済再生に向けた税制措置」「少子化対策・女子活躍の推進・教育再生等に向けた取組み」「地方創生の推進・特区に係る税制上の支援措置」「消費税の軽減税率制度」「車体課税の見直し」「国境を越えた取引に係る課税の国際的調和に向けた取組み」「森林吸収源対策」「復興支援のための税制上の措置」「円滑・適正な納税のための環境整備」の9つを掲げています。
中心となる方針は、「デフレ脱却・経済再生に向けた税制措置」および「少子化対策・女子活躍の推進・教育再生等に向けた取組み」「地方創生の推進・特区に係る税制上の支援措置」であり、各方針の主な細目は下記の通りです。
1.デフレ脱却・日本経済再生に向けた税制措置
(1)成長志向の法人税改革
・法人実効税率「20%台」の実現
・法人税制をめぐる諸課題
租税特別措置、地方法人課税、中小法人課税
協同組合等課税、公益法人等課税
(2)グローバルな投資・経済交流の促進
(3)地域の中小企業による設備投資の支援
2.少子化対策・女子活躍の推進・教育再生等に向けた取組み
(1)少子化への対応、働き方の選択に対する中立性の確保等の観点からの個人所得課税の見直しに向けた検討
(2)三世代同居に対応した住宅リフォームに係る特例の導入
(3)個人寄附に係る寄附金税制の見直し
(4)社会保障関連の税制上の措置
3.地方創生の推進・特区に係る税制上の支援措置
(1)地方法人課税の偏在是正
(2)東京圏への人口集中の是正・各地域での住みよい環境の確保
(3)国家戦略特区・国際戦略総合特区
4.消費税の軽減税率制度
5.車体課税の見直し
6.国境を越えた取引に係る課税の国際的調和に向けた取組み
7.森林吸収源対策
8.復興支援のための税制上の措置
9.円滑・適正な納税のための環境整備
詳しい改正内容及び実務上の留意点等は、 弊社ホームページ「平成28年度税制改正解説速報」 をご覧ください。
※なお、「平成28年度税制改正解説速報」は、平成28年度税制改正大綱(案)をもとに作成しておりますので、大綱が正式に公表された後、変更する可能性があります。ご了承ください。