政府は、平成28年度税制改正関連法(所得税法等の一部を改正する法律)案を2月5日に閣議決定し、国会に提出しました。この法案は、所得税法、法人税法や租税特別措置法など国税に関する税制改正法案です。施行日は原則として平成28年4月1日を予定しています。
法案には、消費税・軽減税率の適用対象について、次のような記載があります。
一、 飲食料品(食品表示法第2条第1項に規定する食品(酒税法第2条第1項に規定する酒類を除く。以下この号において単に「食品」という。)をいい、食品と食品以外の資産が一の資産を形成し、又は構成しているもののうち政令で定める資産を含む。以下この号において同じ。)の譲渡(次に掲げる課税資産の譲渡等は、含まないものとする。)
イ. 飲食店業その他の政令で定める事業を営む者が行う食事の提供(テーブル、椅子、カウンターその他の飲食に用いられる設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいい、当該飲食料品を持帰りのための容器に入れ、又は包装を施して行う譲渡は、含まないものとする。)
ロ. 課税資産の譲渡等の相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務を伴う飲食料品の提供(老人福祉法第29条第1項に規定する有料老人ホームその他の人が生活を営む場所として政令で定める施設において行う政令で定める飲食料品の提供を除く。)
二 、一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する新聞(一週に二回以上発行する新聞に限る。)の定期購読契約(当該新聞を購読しようとする者に対して、当該新聞を定期的に継続して供給することを約する契約をいう。)に基づく譲渡有料老人ホームの食事など一定の場合を除き、ケータリングによる食事の提供は軽減税率の対象外、テーブルやカウンターなどの飲食設備のある場所での食事の提供も対象外となるようです。
また、飲食料品を持帰りのための容器に入れたり、包装をした場合には軽減税率の対象となるようですが、「持帰り用の容器に入れて、店内で食事をした場合」にも対象となるのか等、具体的な線引きは、今後の政省令や通達等を待つ必要があります。
この法案は、この後国会で審議され、3月中には可決成立する見込みです。
なお、地方税の平成28年度税制改正法案は、まだ閣議決定されていません。近日中に閣議決定され、国会に提出される見込みです。