国税庁は、ホームページに「平成30年分民間給与実態統計調査」を公表しました。 この調査は、民間企業における年間の給与の実態を、給与階級別、事業所規模別、企業規模別等に明らかにし、併せて、租税収入の見積り、租税負担の検討及び税務行政運営等の基本資料とすることを目的とするものです。昭和24年分から始まり、以後毎年実施され、今回が第70回となります。
調査の結果を見ると、平成30年中に民間の事業所が支払った給与の総額は223兆5,483億円で、前年から7兆8,330億円(前年比+3.6%)増加しています。
また、民間企業に昨年1年間を通じて勤務した給与所得者は5,911万人(同比+1.7%)となりました。その平均給与も441万円(同比+2.0%)と6年連続で増加しています。 女性の給与所得者数は2,081万人と前年と比べ3.5%増加し、平均給与も同比2.1%増の293万円で、男女別の統計を取り始めた1978年以降で最高となっています。女性の給与所得者数が増加した背景には、配偶者特別控除の対象範囲が拡大されたことも一つの要因としてあるようです。
正規・非正規別に平均給与を見ると、正規社員の平均給与は504万円で前年と比べて2.0%増加、非正規社員は179万円で前年と比べると2.2%の増加と、いずれも増加しています。
業種別の平均給与では、トップは「電気・ガス・熱供給・水道業」の759万円(前年比+1.6%)、続いて「金融業・保険業」631万円(同比+2.7%)、「情報通信業」の622万円(同比+4.0%)となっています。
逆に最も低いのは「宿泊業・飲食サービス業」の251万円(同比△0.9%)、続いて「農林水産・鉱業」312万円(同比△4.4%)、「サービス業」の363万円(同比+4.5%)となっています。パートやアルバイトなどの非正規社員が多いと考えられる業種の平均給与は、低くなりやすい傾向にあるようです。