政府は、令和2年度税制改正関連法(所得税法等の一部を改正する法律)案を1月31日に閣議決定し、国会に提出しました。この法案は、所得税法、法人税法や租税特別措置法など国税に関する税制改正法案です。施行日は原則として令和2年4月1日を予定しています。
「法律案の概要」によると、本法案では、持続的な経済成長の実現に向け、オープンイノベーションの促進に係る税制上の措置や連結納税制度の抜本的な見直しを行うともに、経済社会の構造変化を踏まえ、全てのひとり親家庭の子どもに対する公平な税制の実現やNISA(少額投資非課税)制度の見直しを行う。あわせて、円滑・適正な納税のための環境整備等を行うとしています。
主な具体的な措置は、下記の通りです。
●個人所得課税
・未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除の見直し
・NISA制度の見直し・延長
●法人課税
・オープンイノベーションの促進に係る税制の創設
・大企業の研究開発税制等の租税特別措置の不適用措置等の見直し(設備投資要件の引上げ)
・5G導入促進税制の創設
・連結納税制度について、企業グループ内の各法人を納税単位としつつ、損益通算等の調整を行う仕組み(グループ通算制度)に移行
(令和4年4月1日以後開始する事業年度から適用)
●納税環境整備、その他
・消費税の申告期限を延長する特例の創設
・国外財産調書制度等の見直し(加算税の特例等の見直し)
・住宅用家屋の所有権保存登記等に係る登録免許税の軽減措置の延長(2年)
この法案は、この後国会で審議され、3月中には可決成立する見込みです。
なお、地方税の令和2年度税制改正法案は、国税より少し遅れた2月4日に閣議決定され、国会に提出されました。国税同様、3月中に可決成立する見込みです。