税のトピックス

2021年8月2日

  • 相続税・贈与税

国税庁、「年次報告書・継続届出書の『報告基準日』について」を公表

国税庁、「年次報告書・継続届出書の『報告基準日』について」を公表

 国税庁は、ホームページに「年次報告書・継続届出書の「報告基準日」について~申告期限が延長されている場合は報告基準日も延長されます~」を公表しました。

 これは、法人版事業承継税制の適用を受けた場合に、納税猶予を受け続けるために提出が必要となる「継続届出書」の「報告基準日」について注意喚起したものです。

 法人版事業承継税制は、後継者である受贈者・相続人等が、円滑化法(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律)の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度です。この制度の適用を受けている場合には、一定期間中は毎年、都道府県知事へ年次報告書を提出し、都道府県知事の確認を受けた上で、その写しを所轄税務署へ継続届出書を提出する際に添付する必要があります。

この年次報告書には、法令上、「報告基準日」(非上場株式等の納税猶予制度の適用に係る贈与税又は相続税の申告期限の翌日から1年を経過するごとの日)における対象会社の経営状況等を記載する必要があり、申告期限が延長されている場合は、延長後の申告期限に基づく報告基準日における対象会社の経営状況等を記載する必要があります。

 例えば、令和元年中に贈与が行われた場合には、令和元年分贈与税の申告期限は、コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により申告期限が延長され、令和2年4月16日(個別にさらに延長申請を行った場合には、その期限)となっているため、報告基準日は毎年「4月16日」となります。

 延長前の申告期限を基にした報告基準日に基づき年次報告書を作成・提出している場合には、正しい報告基準日に基づいた年次報告書を再度作成・提出し、改めて都道府県知事の確認を受ける必要があります。

 再確認を受けた年次報告書の写しを所轄税務署に提出する必要がありますが、その際、既に提出している継続届出書の再提出は不要とのことです。

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