国税庁は、ホームページに「令和2年分民間給与実態統計調査結果について」を公表しました。 この調査は、民間企業における年間の給与の実態を、給与階級別、事業所規模別、企業規模別等に明らかにし、併せて、租税収入の見積り、租税負担の検討及び税務行政運営等の基本資料とすることを目的とするものです。昭和24年分から始まり、以後毎年実施され、今回が第72回となります。
調査の結果を見ると、令和2年中に民間の事業所が支払った給与の総額は219兆2,054億円で、前年から12兆3,992億円(前年比△5.4%)減少しています。
また、民間企業に昨年1年間を通じて勤務した給与所得者は5,928万人(同比△1.0%)となり、その平均給与は433万円(同比△0.8%)と2年連続で減少しています。
平均給与を正規・非正規別に見ると、正規社員の平均給与は496万円、非正規社員は176万円で、正規と非正規の平均給与の差は320万円となりました。統計を取り始めた平成24年分以後、初めて差が縮小しています。
女性の給与所得者数は2,168万人と前年と比べ2.5%減少し、平均給与も同比1.0%減の293万円となりました。一方、男性の給与所得者数は3,077万人(同比+1.5%)、平均給与は532万円(同比△1.4%)となりました。
業種別の平均給与では、トップは「電気・ガス・熱供給・水道業」の715万円(前年比△13.3%)、続いて「金融業・保険業」630万円(同比+0.4%)、「情報通信業」の611万円(同比+2.1%)となっています。
逆に最も低いのは「宿泊業・飲食サービス業」の251万円(同比△3.2%)、続いて「農林水産・鉱業」300万円(同比+1.0%)、「サービス業」の353万円(同比+1.0%)となっています。パートやアルバイトなどの非正規社員が多いと考えられる業種の平均給与は、低くなりやすい傾向にあるようです。