国税庁は、ホームページに「令和2年度分会社標本調査結果」を公表しました。会社標本調査は、内国普通法人(休業及び清算中の法人等を除く)について、4月1日から翌年3月31日までの間に終了した当該法人の各事業年度を対象として行った実態調査です。
法人企業について、資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積り、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的として実施されているもので、昭和26年分から毎年行われています。
調査結果を見ると、全体の法人数から連結子会社を除いた数、279万560社のうち、赤字法人は173万9,778社です。赤字法人割合は62.3%と、前年度から0.7ポイント増加しています。
赤字法人が増加した影響もあり、法人が納めた法人税の総額は、11兆1,779億円(前年度比△0.3%)と前年度と比べて減少しています。
一方、所得金額は63兆7,868億円(同+0.8%)と2年ぶりに増加しています。 所得金額の増加額・増加率を業種別にみると、増加額が最も大きいのは「金融保険業」1兆800億円(所得金額6兆2,047億円)、次いで「その他の製造業」5,738億円(同2兆2,387億円)、「サービス業」4,800億円(同9兆7,905億円)となっています。
増加率が最も高いのは、「その他の製造業」34.5%、次いで「金融保険業」21.1%、「小売業」12.5%です。
所得金額の減少額・減少率を業種別にみると、減少額が最も大きいのは「運輸通信公益事業」1兆2,758億円、次いで「鉄鋼金属工業」5,239億円、「鉱業」4,024億円となっています。
減少率が最も高いのは、「鉱業」69.2%、次いで「料理飲食旅館業」53.7%、「鉄鋼金属鉱業」35.4%です。
特に「料理飲食旅館業」は、欠損法人の割合も81.7%と全業種の中で最も高く、新型コロナウイルス感染症による外出自粛等の影響が色濃く出ているようです。