全国の国税局が、令和3年度に強制調査(査察)で摘発した脱税事件は116件、脱税額は総額で約102億円となったことが国税庁のまとめでわかりました(「令和3年度査察の概要」)。
公表データによると、令和3年度に全国の国税局査察部が着手した事案は116件、前年度の未処理事案と合わせて処理した件数は103件で、脱税総額は102億1,200万円となりました。前年度と比べると脱税総額は11億6,200万円増加しています。
このうち検察庁に告発したのは75件(前年比8件減)。告発率は72.8%(同0.7ポイント減)となり、昨年度に引き続き高水準となりました。検察庁に告発した脱税総額は、60億7,400万円(同8億5,200万円減)と前年と比べて減少しています。
税目別に告発件数をみると、最も多い税目は法人税の43件(脱税総額35億1,900万円)です。次いで消費税の件数は21件(同16億5,500万円)、所得税9件(同7億7,900万円)となっています。
また、国税庁では、消費税事案、無申告事案、国際事案、時流に即した脱税事案など、社会的波及効果が高いと見込まれる事案に対して積極的に取り組んだそうです。
具体的には、愛玩用動物のイベントを企画・開催する法人が、消費税の仕入税額控除制度を悪用した消費税不正受還付事案などを告発した(トピック1)ほか、無申告事案は、太陽光発電設備に係る請負工事(トピック3)及びインターネットショッピングサイトを利用した輸入雑貨の通販等(トピック4)の事案を告発した事例が紹介されています。