国税庁は、「令和3年度租税滞納状況について」をホームページに公表しました。滞納とは、国税が納期限までに納付されず、督促状が発付されたものをいいます。
新規発生の租税滞納額をみると、令和3年度は前年度より27.2%増加し、7,527億円となりました。前年度より増加しましたが、過去最も新規滞納発生額の多かった平成4年度の約4割と引き続き低い水準となっています。滞納発生割合は1.1%と、平成16年度以降18年連続で2%を下回っている状況です。
滞納の整理をした額は6,956億円と、前年度より34.2%増加しました。これは新型コロナウイルス感染症の影響により前年度の整理済額が抑えられたことも影響しているようです。
滞納の整理済額が新規発生滞納額を571億円下回ったため、滞納整理中のもの(滞納残高)は8,857億円(前年度比+6.9%)と、2年連続で増加しました。しかし、ピーク時(平成10年度、2兆8,149億円)の31.5%と、低い水準を保っています。
税目別にみると、滞納残高が多い順に、消費税3,551億円、所得税3,529億円、法人税1,180億円、相続税517億円となっています。消費税が所得税を抜いて、最も残高が多くなりました。消費税は、新規発生高・整理済額がともに全体の53%を超えるなど、大きな割合を占めています。
滞納整理中のものの額の推移(全税⽬)