国税庁は、ホームページに「令和3年度分会社標本調査結果」を公表しました。会社標本調査は、内国普通法人(休業及び清算中の法人等を除く)について、4月1日から翌年3月31日までの間に終了した当該法人の各事業年度を対象として行った実態調査です。
法人企業について、資本金階級別や業種別にその実態を明らかにし、併せて租税収入の見積り、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的として実施されているもので、昭和26年分から毎年行われており、今回が72回目となります。
調査結果を見ると、全体の法人数から連結子会社を除いた数、284万8,518社のうち、赤字法人は175万7,601社です。赤字法人割合は61.7%と、前年度から0.6ポイント減少しています。
赤字法人の割合が減少した影響もあり、法人が納めた法人税の総額は、13兆2,464億円(前年度比+18.5%)と前年度と比べて増加しています。
- また、所得金額は75兆5,808億円(同+18.5%)と2年連続で増加しています。
- 所得金額の増加額・増加率を業種別にみると、増加額が最も大きいのは「サービス業」2兆2,877億円(所得金額12兆782億円)、次いで「卸売業」1兆1,935億円(同6兆1,528億円)、「機械工業」1兆421億円(同4兆3,185億円)となっています。増加率が最も高いのは、「鉱業」176.1%、次いで「料理飲食旅館業」119.6%、「鉄鋼金属工業」40.4%です。
- 所得金額の減少額・減少率を業種別にみると、減少額・減少率が最も大きいのは「運輸通信公益事業」1兆453億円、22.0%。次いで「金融保険業」6,692億円、10.8%、「建設」963億円、1.8%となっています 。
景気の影響を受けやすい交際費の支出額について見ると、2兆8,507億円(前年比△3.7%)と3年連続で減少しています。
一方、寄附金の支出額は1兆225億円(同+15.4%)と2年連続で増加しています。
地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の寄附実績が増えていることも、寄附金支出額の増加に影響していそうです。