全国の国税局が、令和4年度に強制調査(査察)で摘発した脱税事件は145件、脱税額は総額で約128億円となったことが国税庁のまとめでわかりました。
公表データによると、令和4年度に全国の国税局査察部が着手した事案は145件、前年度の未処理事案と合わせて処理した件数は139件で、脱税総額は127億6,000万円となりました。前年度と比べると脱税総額は25億4,800万円増加しています。
このうち検察庁に告発したのは103件(前年比28件増)。告発率は74.1%(同1.3ポイント増)となり、昨年度に引き続き高水準となりました。検察庁に告発した脱税総額は、100億1,900万円(同39億4,500万円増)と前年と比べて増加しています。
税目別に告発件数をみると、最も多い税目は法人税の47件(脱税総額42億7,500万円)です。次いで消費税の件数は34件(同30億1,000万円)、所得税19件(同24億2,400万円)となっています。
また、国税庁では、消費税事案、無申告事案、国際事案、時流に即した脱税事案など、社会的波及効果が高いと見込まれる事案に対して積極的に取り組んだそうです。
具体的には、不正スキームを利用した消費税不正受還付事案を告発した(トピック2)ほか、相続税の無申告ほ脱事案を告発(トピック3)及び不正スキームを利用した所得税不正還付事案を告発した事例(トピック7)を紹介しています。