全国の国税局が、令和5年度に強制調査(査察)で摘発した脱税事件は154件、脱税額は総額で約120億円となったことが国税庁のまとめでわかりました。
公表データによると、令和5年度に全国の国税局査察部が着手した事案は154件、前年度の未処理事案と合わせて処理した件数は151件で、脱税総額は119億8,000万円となりました。前年度と比べると脱税総額は7億8,000万円減少しています。
このうち検察庁に告発したのは101件(前年比2件増)。告発率は66.9%(同7.2ポイント減)となりました。検察庁に告発した脱税総額は、89億3,100万円(同10億8,800万円減)と前年と比べて減少しています。
税目別に告発件数をみると、最も多い税目は法人税の59件(脱税総額57億3,400万円)です。次いで消費税の件数は27件(同18億3,100万円)、所得税14件(同12億1,400万円)となっています。
また、国税庁では、消費税事案、無申告事案、国際事案、時流に即した脱税事案など、社会的波及効果が高いと見込まれる事案に対して積極的に取り組んだそうです。
具体的には、架空の課税仕入れ及び架空の輸出免税売上を計上していた事案(図1)のほか、脱税のために虚偽の経費を計上するスキームを節税とうたって、広く納税者に利用させていた事案(図2)を紹介しています。