平成27年度税制改正では、「未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置」(いわゆるジュニアNISA)が創設されるようです。
ジュニアNISAでは、成人NISAの対象とならなかった20歳未満の居住者等が対象となります。20歳未満ということで、口座の運用管理は親権者等の代理又は同意の下で行うことを想定しているようです。
ジュニアNISAは、成人NISAに準じた制度となっていますが、次の3点が大きく異なります。
- 年間投資額の上限は80万円
成人NISAの年間投資額の上限は、120万円(平成27年度税制改正により、100万円から引き上げられる予定)ですが、ジュニアNISAの年間投資額の上限は80万円です。
- 18歳になるまで原則として払出し不可
ジュニアNISAでは、口座内の金銭等を大学受験等で資金が必要となる年齢、18歳までは原則として払出しできません。払出しが認められるのは、災害等の一定の事由により、口座内の金銭等を全て払出す場合のみです。また大綱の文言を素直に読むと、この要件に違反して一部でも金銭等を払出した場合には、過去の利益のみならず、払出しを行った時点の含み益にも課税されるようです。
- 20歳になる年まで非課税措置の適用可
ジュニアNISAにおいて、新規投資が可能な「非課税管理勘定」を開設できるのは成人NIA同様、平成35年12月31日までです。従って平成31年に開設した同勘定の非課税期間が満了となっても、新たな「非課税管理勘定」を開設することはできません。成人NISAでは、その後非課税措置を受けることはできませんが、ジュニアNISAでは、同勘定から「継続管理勘定」に移管し、20歳になる年まで非課税措置の適用を受けることができます。
「継続管理勘定」に移管するに当たり、その移管の時の価額(時価)が80万円を超えている場合には、80万円分までしか移管することはできません。一方、時価が80万円を下回っている場合でも、追加購入することはできません。
ジュニアNISA創設のねらい通り、若年層に投資のすそ野が拡大するのか、制度活用状況が注目されます。
※ 本内容は、平成27年度税制改正大綱及び関連省庁の公表資料に基づいています。今後の法令等により内容が変わる可能性がありますので、ご注意ください。