「平成27年度税制改正大綱」が平成26年12月30日、与党より公表されました。
大綱では、基本的な考え方として「デフレ脱却・経済再生に向けた税制措置」「地方創生・国家戦略特区」「社会保障・税一体改革」「固定資産税」「国境を越えた取引等に係る課税の国際的調和に向けた取組み」「復興支援のための税制上の措置」「円滑・適正な納税のための環境準備」の7つを掲げています。
中心となる方針は、「デフレ脱却・経済再生に向けた税制措置」および「地方創生・国家戦略特区」であり、各方針の主な細目は下記の通りです。
1. デフレ脱却・経済再生に向けた税制措置
(1) 成長志向に重点を置いた法人税改革
- 法人実効税率の引下げ
- 欠損金繰越控除の見直し
- 受取配当等益金不算入の見直し
- 法人事業税の外形標準課税の拡大
- 租税特別措置の見直し
(2)高齢者層から若年層への資産の早期移転を通じた住宅市場の活性化
- 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長・拡充
(3)投資家のすそ野拡大・成長資金の確保
- ジュニアNISAの創設
- NISAの年間投資上限額の引上げ
2.地方創生・国家戦略特区
(1)東京圏への人口集中の是正・各地域での住みよい環境の確保
- 地方拠点強化税制の創設
- ふるさと納税
- 外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充
(2)国家戦略特区
(3)少子高齢化の進展・人口減少への対応
- 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設
- 学校法人等への個人寄附に係る税額控除制度の拡充
そのほか注目すべき改正内容では、国外事業者が国境を越えて行う電子書籍・音楽・広告の配信等の電子商取引を消費税の課税対象とする、クロスボーダーでの課税逃れを防止する観点から、巨額の含み益(未実現のキャピタルゲイン)を有する株式等を保有して出国する者に対する譲渡所得課税の特例の創設、車体課税の見直し、などがあります。
詳しい改正内容及び実務上の留意点等は、 弊法人ホームページ 「平成27年度税制改正解説速報」をご覧ください。