中小企業による事業承継を円滑に図るための措置を講じる「中小企業成長促進法」が10月1日に施行されます。この法律の正式名称は、「中小企業の事業承継の促進のための中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律」といい、 経営承継円滑化法、経営強化法、地域未来法、産業競争力強化法、中小機構法という5つの法律の改正法を一本にまとめたものです。
中小企業成長促進法は、具体的な改正内容は下記のとおりです。
Ⅰ.経営承継円滑化法
事業承継時の経営保証解除、第三者承継の促進
A.経営者保証解除スキームの新設
Ⅱ.経営強化法
経営革新・経営力向上企業における成長促進等
A.経営革新計画の定義見直し、支援強化・集約化
B.経営力向上企業における事業承継の促進
Ⅲ.地域未来法
地域経済をけん引する企業における成長促進等
A.地域経済牽引事業計画の支援策強化
B.地域経済牽引事業における事業承継促進
Ⅳ.産業競争力強化法
事業承継等支援体制の整備
Ⅴ.中小機構法
中小機構の業務追加他
この中でも特に「事業承継時の経営者保証解除スキームの新設」には、中小企業庁の期待が大きいようです。
平成30年度中小機構アンケートによると、後継者候補に承継を拒否されている場合において、経営者保証が理由になっているケースは65%にのぼっています。そこで、事業承継に併せて経営者保証付き債務を借り換える際の資金に対して、一定の要件を満たす企業に対しては経営者保証を求めない保証制度(経営承継借換関連保証)が新設されました。これにより、経営者候補の心理的な負担が軽減され、事業承継が促進すると期待されています。