会計検査院は10日、「令和元年度決算検査報告書」を内閣に送付しました。決算検査報告とは、会計検査院が1年間に実施した会計検査の成果を明らかにした報告書です。
この検査報告には、令和元年度の歳入歳出決算、政府関係機関の収入支出決算などに関する会計検査の成果が収録されています。検査報告書は、検査が済んだ決算とともに内閣に送付され、内閣から国会に提出されます。そして、国会で決算審査を行う場合の重要な資料となるほか、財政当局などの業務執行にも活用されています。
報告書をみると、財務省に対して、税金の徴収額に総額1億7,831万円の過不足があると指摘しています。49税務署において納税者86人から税金を徴収するに当たり、徴収額が不足していたものが85事項1億7,163万円、徴収額が過大だったものが1事項668万円となっています。
徴収の不足額を税目別にみると、最も多い法人税が32事項7,873万円、次いで消費税が23事項3,532万円、申告所得税18事項3,302万円、以下、相続税・贈与税は11事項2,373万円、源泉所得税1事項81万円となっています。
また、会計検査院は
(1)財務基盤の強化を図るために特定同族会社の特別税率の適用対象から除外された法人のうち、特定同族会社と比べても財務基盤が一定水準以上となっていると考えられる一部の法人の財務基盤の状況等について、
(2)完全子法人株式等及び関連法人株式等に係る配当等の額に対して源泉徴収を行うことにより生ずる還付金及び還付加算金並びに税務署における源泉所得税事務及び還付事務等について、
様々な視点から有効性、公平性及び効率性を高める検討を行うよう指摘しています。今後の税制改正に影響を与えそうです。