財務省・総務省のホームページに、令和4年度税制改正に対する各省庁の要望が公表されました。各省庁の要望は令和3年度で期限切れとなる措置の拡充・延長のほか、制度・措置を新設する要望もあります。
経済産業省の要望内容を見ると、「新たな事業再構築を加速化するオープンイノベーション・重要デジタルインフラの整備」「コロナ禍の経済情勢に対応する中小企業・小規模事業者の事業継続・成長への支援」「カーボンニュートラル実現とエネルギー安定供給確保の両立に向けたエネルギー・環境政策の再構築」「企業活動のグローバル化に対応した事業環境の整備」の4項目を掲げて要望しています。
主な要望項目は、下記のとおりです。
(1)新たな事業再構築を加速化するオープンイノベーション・重要デジタルインフラの整備
・オープンイノベーションの促進
・デジタル前提の経済・社会において基盤インフラとなる5Gの早期社会実装の促進
・産業構造転換に対応した機動的な事業再編の促進
(2)コロナ禍の経済情勢に対応する中小企業・小規模事業者の事業継続・成長への支援
・交際費課税の特例措置の延長
・中小企業の負担軽減・事業効率向上等を通じた生産性向上
・コロナ禍等を踏まえた法人版・個人版事業承継税制に関する検討
・土地に係る固定資産税における所要の措置の検討
(3)カーボンニュートラル実現とエネルギー安定供給確保の両立に向けたエネルギー・環境政策の再構築
・ガス供給業・電気供給業の収入金課税の見直し
・エネルギー・鉱物資源を巡る国際競争の激化に対応する取組の推進
・省エネ投資の促進
・自動車関係諸税の課税のあり方の検討
(4)企業活動のグローバル化に対応した事業環境の整備
・経済のデジタル化等に対応した新たな国際課税制度への対応
脱炭素化やデジタル化を促す措置や、コロナ禍の経済情勢に対応する措置、厳しい経営状況からの回復実現に向けた施策が要望の中心になっているようです。
各省庁の要望が出そろうと、いよいよ税制改正の議論が始まります。今後の税制改正の議論の行方が注目されます。