政府は、令和4年度税制改正関連法(所得税法等の一部を改正する法律)案を1月25日に閣議決定し、国会に提出しました。この法案は、所得税法、法人税法や租税特別措置法など国税に関する税制改正法案です。施行日は原則として令和4年4月1日を予定しています。
「法律案の概要」によると、本法案では、「成長と分配の好循環の実現に向けて、多様なステークホルダーに配慮した経営と積極的な賃上げを促す観点から賃上げに係る税制を抜本的に強化するとともに、スタートアップと既存企業の協働によるオープンイノベーションを更に促進するための措置を講ずる。あわせて、カーボンニュートラルの実現に向けた観点等を踏まえ、住宅ローン控除制度等を見直す。」としています。
法律案の概要に記載された主な具体的な措置は、下記の通りです。
● 個人所得課税
○ 住宅ローン控除制度の見直し
- 住宅ローン控除の適用期限を4年延長(令和7年12月31日までに入居した者が対象)
- 省エネ性能等の高い認定住宅等につき、新築住宅等・既存住宅ともに、借入限度額を上乗せ
- 控除率を0.7%に、所得要件を2,000万円に設定
- 新築住宅等について控除期間を13年に設定
- 令和5年以前に建築確認を受けた新築住宅について、合計所得金額1,000万円以下の者に限り、床面積要件を40㎡に緩和
● 法人課税
○ 賃上げに係る税制の拡充
- 大企業等においては、継続雇用者の給与総額を3%以上増加させた場合、15%の税額控除(4%以上増加の場合(+10%)、教育訓練費を2割以上増加の場合(+5%)、それぞれ控除率を上乗せ)
- 一定規模以上の大企業に対しては、給与の引上げの方針、取引先との適切な関係の構築の方針等を公表していることを要件化
- 中小企業においては、全雇用者の給与総額を1.5%以上増加させた場合、15%の税額控除(2.5%以上増加の場合(+15%)、教育訓練費を1割以上増加の場合(+10%)、それぞれ控除率を上乗せ)
○ オープンイノベーションの促進に係る税制の拡充
- 取得した株式の保有期間の見直しを行った上で、2年延長
○5G導入促進税制の見直し
● 資産課税
○ 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の見直し
- 限度額を最大1,000万円に見直した上で、2年延長
● 納税環境整備
○ 税理士制度の見直し
○ 登録免許税及び自動車重量税におけるキャッシュレス納付制度の創設
● 期限切れ租税特別措置の延長
○ 住宅用家屋の所有権保存登記等に係る登録免許税の軽減措置の延長(2年)
○ 旅行者等が入国の際に携帯等して輸入する紙巻たばこの特例措置の延長(1年)
この法案は、この後国会で審議され、3月中には可決成立する見込みです。
なお、地方税の令和4年度税制改正法案は、国税より少し遅れた1月28日に閣議決定され、国会に提出されました。国税同様、3月中に可決成立する見込みです。