税のトピックス

2022年9月5日

  • 税制改正

各省の令和5年度(2023年度)税制改正要望、出そろう

各省の令和5年度(2023年度)税制改正要望、出そろう

 令和5年度(2023年度)税制改正に対する各省庁の要望が、 財務省・総務省のホームページに公表されました。各省庁の要望は令和4年度で期限切れとなる措置の拡充・延長のほか、制度・措置を新設する要望もあります。

 経済産業省の要望内容を見ると、「スタートアップ・エコシステムの抜本強化」「カーボンニュートラルへの対応とイノベーション促進のための取組」「中小企業・小規模事業者の設備投資・経営基盤の強化と地域経済を牽引する企業の成長促進」「企業活動のグローバル化に対応した事業環境の整備」の4項目を掲げて要望しています。

 主な要望項目は、下記のとおりです。
(1)スタートアップ・エコシステムの抜本強化・エンジェル税制の拡充やスタートアップ・エコシステムの抜本強化に資する税制措置の検討
 ・ストックオプション税制の拡充
 ・国外転出時課税制度に関する所要の措置
 ・暗号資産の期末時価評価課税に係る見直し
(2)カーボンニュートラルへの対応とイノベーション促進のための取組
 ・研究開発税制を含む投資促進等の措置
  (研究開発税制、DX投資促進税制、スピンオフ税制の見直し)
 ・車体課税等の見直し
(3)中小企業・小規模事業者の設備投資・経営基盤の強化と地域経済を牽引する企業の成長促進
 ・中小企業・小規模事業者の積極的な投資、経営基盤強化、研究開発を支援
 ・地域経済を牽引する企業の成長を促進するための設備投資促進税制の強化
(4)企業活動のグローバル化に対応した事業環境の整備
 ・外国子会社合算税制の見直し
 ・経済のデジタル化等に対応した新たな国際課税制度への対応
 今回の経済産業省の要望では、冒頭の「スタートアップ・エコシステム」というワードが目を引きます。
 スタートアップ・エコシステムとは、大企業や大学、公的機関などが連携をとり、スタートアップ企業を支援するシステムのことをいいます。日本は海外と比べて後れをとっているといわれていますが、スタートアップ・エコシステム専門調査会を設置し、取組みを強化しているところです。
 経済産業省では、このスタートアップ・エコシステムの強化に必要な税制措置を要望しているようです。

 各省庁の要望が出そろうと、いよいよ税制改正の議論が始まります。今後の税制改正の議論の行方が注目されます。

税のトピックスに戻る