政府は、令和6年度税制改正関連法(所得税法等の一部を改正する法律)案を2月2日に閣議決定し、国会に提出しました。この法案は、所得税法、法人税法や租税特別措置法など国税に関する税制改正法案です。施行日は原則として令和6年4月1日を予定しています。
「法律案の概要」によると、本法案では、「賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和し、物価上昇を上回る持続的な賃上げが行われる経済の実現を目指す観点から、所得税の定額減税の実施や、賃上げ促進税制の強化等を行う。資本蓄積の推進や生産性の向上により、供給力を強化するため、戦略分野国内生産促進税制やイノベーションボックス税制を創設し、スタートアップ・エコシステムの抜本的強化のための措置を講ずる。あわせて、グローバル化等を踏まえてプラットフォーム課税の導入等を行う。」としています。
法律案の概要に記載された主な具体的な措置は、下記の通りです。
● 個人所得課税
〇 所得税の定額減税
- 居住者の令和6年分の所得税額から、居住者並びに配偶者及び扶養親族1人につき3万円を控除
- 合計所得金額1,805万円以下の場合のみ対象
〇 ストックオプション税制の利便性向上
- スタートアップが付与したものについて、年間権利行使価額の限度額を最大3,600万円に引上げ
〇 住宅ローン控除拡充(令和6年分につき子育て世帯の借入限度額上乗せ等)
● 法人課税
〇 賃上げ促進税制の強化
- 従来の大企業向けの措置について、税額控除率の上乗せ措置等を見直し、適用期限を3年延長
- 中堅企業(従来の大企業のうち従業員数が2,000人以下の法人)向けの新たな措置を創設
- 中小企業向けの措置について、5年間の繰越控除制度を創設し、適用期限を3年延長
- 教育訓練費に係る税額控除率の上乗せ措置についての適用要件の緩和
- 子育てとの両立支援や女性活躍支援に積極的な企業への税額控除率の上乗せ措置の創設
〇 戦略分野国内生産促進税制の創設
- 電気自動車、半導体等を対象に、生産・販売量に応じた10年間の税額控除
〇 イノベーションボックス税制の創設
- 国内で自ら研究開発した特許権等から生ずる一定の所得について、30%の所得控除
〇 交際費等から除外される飲食費の金額基準引上げ(1人5千円→1万円)
● 消費課税
〇 プラットフォーム課税の導入
- 国外事業者がデジタルプラットフォームを介して国内向けに行うデジタルサービスについて、国外事業者の取引高50億円超のプラットフォーム事業者に消費税の納税義務を課す制度の導入
この法案は、この後国会で審議され、3月中には可決成立する見込みです。
詳しい改正内容及び実務上の留意点等は、 弊法人ホームページ「速報 2024年度(令和6年度)税制改正解説」 をご覧ください。