政府は、新たな経済対策である「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~」を公表しました。財政支出の規模は、21.9兆円程度となる見込みです。
本経済対策の狙いは、「デフレを脱却し、新たな経済ステージに移行することを目指して、『経済あっての財政』との考え方に立ち、『賃上げと投資が牽引する成長型経済』を実現しつつ、財政状況の改善を進め、力強く発展する、危機に強靱な経済・財政を作っていく」ことにあります。
具体的には下記3つの柱で構成されています。
出典:内閣府「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」
本経済対策の中で、「令和7年度税制改正で検討・結論」と明記されている項目は下記の通りです。
- 事業承継税制の特例措置について、2024 年内を目途に、役員就任要件の見直しを検討する。
- エンジェル投資家や起業家が株式譲渡益を元手とした創業間もないスタートアップへの再投資を行う際の非課税措置について、株式譲渡益の発生年以降の再投資についても対象とする拡充(再投資期間の延長)を検討する。
- NISAの活用促進や個々人のライフプランに応じた資産形成の啓発に取り組む。NISAの更なる利便性向上のため、金融機関変更時の即日買付が可能となるよう措置を講じること、NISAの対象範囲を拡充すること等について検討する。
- iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入可能年齢を 70 歳に引き上げるとともに、拠出限度額の引上げ等について、2024年内に結論を得る。
また「いわゆる『103万円の壁』」については、「今後の取組」として「令和7年度税制改正の中で議論し引き上げる。」と記載されました。
出典:内閣府「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」
今後本格化される令和7年度税制改正の議論の行方が注目されます。