総務省公表、ふるさと納税の控除適用者が約296万人に
総務省は、ふるさと納税に関する現況調査結果の概要(税額控除の実績等)を取りまとめ、ホームページに公表しました。この調査は、市区町村を対象に、昨年1月から12月までの間に行われたふるさと納税について行ったものです。
ふるさと納税は、生まれ故郷や応援したい地方自治体に寄付すると住民税などが控除される制度です。調査結果をみると、ふるさと納税額は総額で3,482億円となり、前年度2,566億円の約1.36倍にのぼっています。ふるさと納税による寄付金控除額は、約2,448億円と前年度の約1.37倍に、適用者数は約296万人と前年度の約1.3倍となり、引き続き大きな伸びを示しています。
都道府県別にみると、東京都からのふるさと納税控除額は646億円、神奈川県257億円、大阪府212億円と、大都市部から住民税が流出しています。流出額が膨らむと行政サービスに影響が出かねない、と懸念する大都市部の自治体もあるようです。
総務省では2017年4月、大臣通知を発出し、返礼品を寄付額の3割以下にする等、良識のある対応を各自治体に要請しました。この通知を契機に、多くの自治体では返礼品の見直しが行なわれています。
また、使途を明確にして寄付を募るケースも増えています。総務省では、起業家支援、移住交流促進をテーマとした支援策を実施し、使途を明確にして寄付を募る「クラウドファンディング」型のふるさと納税に取り組む自治体を後押ししています。
自然災害が発生した際、ふるさと納税のシステムを利用して被災自治体へ寄付をする動きも活発になっており、ふるさと納税をする側、受ける側双方の意識に変化があるようです。