国税庁は、ホームページに「国外居住親族に係る扶養控除等の適用について(リーフレット)」及び「国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)」を公表しました。
平成27年度の税制改正により、非居住者である親族(国外居住親族)について扶養控除や配偶者控除の適用を受けようとする場合には、給与等の源泉徴収時や年末調整時において、その国外居住親族に係る「親族関係書類」や「送金関係書類」を給与支払者等に提出又は提示しなければならないこととされました。今回公表されたリーフレットとQ&Aは、この改正に関するものです。
提出又は提示が必要とされる「親族関係書類」とは、国外居住親族が居住者の親族であることを証するものをいいます。
具体的には、次の①又は②のいずれかの書類です。
① 戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類
及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し
② 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類
(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。)
同じく提出又は提示が必要とされる「送金関係書類」とは、居住者がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払いを必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます。
具体的には、以下の書類が該当します。
① 金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により居住者から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類
② いわゆるクレジットカード発行会社の書類又はその写しで、国外居住親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等により、その商品等の購入等の代金に相当する額の金銭をその居住者から受領した、又は受領することとなることを明らかにする書類
これらの書類の提出又は提示の時期ですが、配偶者控除又は扶養控除の適用を受ける場合には、扶養控除等申告書の提出時に「親族関係書類」の提出又は提示が、年末調整を行う時に「送金関係書類」の提出又は提示が必要です。配偶者特別控除の適用を受ける場合には、「親族関係書類」「送金関係書類」いずれも、年末調整を行う時に提出又は提示が必要となります。
この改正は、平成28年1月1日以後に支払を受けるべき給与等について適用されます。
まずは「親族関係書類」の提出又は提示が必要となりますが、準備には時間がかかる恐れがありますので、該当する方は早めに準備された方がよさそうです。