総務省は、ふるさと納税に関する現況調査結果の概要(税額控除の実績等)を取りまとめ、ホームページに公表しました。
この調査は、市区町村を対象に、昨年1月から12月までの間に行われたふるさと納税について、令和2年6月1日時点の控除の適用状況をまとめたものです。
ふるさと納税は、生まれ故郷や応援したい地方自治体に寄付すると住民税などが控除される制度です。
調査結果をみると、ふるさと納税額は総額で4,875億円と、前年度と比べると約5%減少しています。
新型コロナウイルス感染症の影響により確定申告の期限が延長されましたが、当初の申告期限以後に提出された分が本調査に含まれていないことも影響しているようです。
ふるさと納税による寄付金控除額は、約3,391億円となり、前年度の約1.04倍と増加しています。
適用者数は約406万人で、前年度の約1.03倍とこちらも増加しています。このうち、約44%の178万人が「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の適用を受けています。前年度約41%から3ポイント上昇しました。この特例制度も定着しつつあるようです。
都道府県別にみると、東京都からのふるさと納税控除額は859億円、神奈川県365億円、大阪府287億円と、大都市部から住民税が流出しています。流出額が膨らむと行政サービスに影響が出かねない、と懸念する大都市部の自治体もあります。
一方、受け入れ額が最も多かった自治体は、大阪府泉佐野市です。約185億円集めています。泉佐野市は、昨年6月新制度施行に伴い、ふるさと納税の対象から外れましたが、施行前まで「閉店キャンペーン」を展開して一気に寄付金を集めました。
なお、泉佐野市は、ふるさと納税の対象から外れたことを不服として最高裁まで争った結果、主張が認められ、現在はふるさと納税制度の対象となっています。